米国の大学で長年教鞭をとる著者による、日本人のためのパラグラフ・ライティングの手引き書です。
ただ単に「英語で文章を書く」ということだけではなく、「書き手が目指している核心に対して、読み手に関心を引き起こさせ、容易にしかも完全に理解させる文章を英語で書く」ことを目標に、「文(センテンス)」「段落(パラグラフ)」「文章」をそれぞれ独立した章で解説、演習しながら進めていきます。ビジネスレターなどの比較的短い通信文を書くためのものではなく、かなりまとまった分量の説明文を書くためのトレーニングですが、日々のビジネスライティングに役立つ要素ももちろんたくさんあります。
文体、理論展開などをひっくるめて「完全に英語の土俵に乗って英文を書く」ことが目標なので、必然的に「日本語は〜だが(→ゆえに伝わりにくい)、英語ではこう」というパターンの記述が多くなります。それを腹立たしく思うかたも多いように思います(笑)が、実際にまとまった分量の英文を作ってみると、こういった点が disadvantage になるのがよく分かるので、やむをえないのかなぁと思います。
英文翻訳者を目指すかた、すでに翻訳を職業とされているかたで自分の書く英語に何らかの疑問を感じているかたは序章と終章に目を通しておくだけでもいいと思います。自分の英語をチェックするキーになる指摘に満ちています。
ライティングの重要性を直球でズバリと指摘してくれるので気持ちいい限りなのですが、全体的にレイアウトが詰まりぎみで読みづらいのと、想定しているユーザーのレベルがどうしても高めに限られてしまうことを考え、この評価としました。