政治的傾向が対極であるといわれるアラン・ドロンがゴダールの作品に出演したことは、
当時たいへん驚きをもって伝えられたようです。ヌーヴェルヴァーグというタイトルの映画に
アラン・ドロンを主演させたゴダールの意図を映画のなかに探すのも楽しみのひとつ。
クレーンやドリーを駆使した壮大な撮影や、紅葉の季節ただなかのスイス、
見事なロケーションに圧倒されますし、ステレオ2.0chではありますが、
この作品の魅力を担っている要素のひとつである、音響の力は比類がありません。
劇中の音声を台詞、背景音とも完全収録したCDがECMから発売されたほどです。
画質は、最近のハリウッド製高画質DVDを見慣れた向きにはなんということもないと
思いますが、アスペクト比も上映サイズを忠実に収録していて、有難いです。
映像特典中の村上氏との対談はイマイチ噛み合ってない感じがしますが、(氏も自分の著作で
「自分が馬鹿になったみたいだった」とゴダールへのインタビューの困難を語っていたはずです)
「(私の映画は)緊張を強いますね。たとえば愛する人と一緒にいると、緊張します。
(…)偉大な音楽にも緊張があり、時には聞くのが難しく、耐え難い。ベートーヴェンの
交響曲を聞くのは(…)それを受け入れる状態にないなら聞く事ができない」など独特の
ゴダール節が披露されています(すでにどこかで話された事柄かもしれませんが…)。