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ヌルイコイ
 
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ヌルイコイ [単行本]

井上 荒野
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

一緒に暮らしていても月に幾度か顔を合わせるだけの夫との生活にも、セックスする以外の時間は使いたくないらしい恋人との不倫にも、とっくに慣れ、受け容れている「わたし」は、ある日、青年(鳩)と出会った―。やわらかなことばが痛いほど響く井上荒野、待望の書下ろし恋愛長編第2作。

内容(「MARC」データベースより)

つまらない恋―ぬるい恋を続けている「わたし」は、ある日、死に至る病の宣告を受ける。一緒に暮らしていても月に二度しか顔を合わせない夫との生活、童話作家との不倫にも慣れ、死さえも諦めにも似た気持ちで受け入れたが…。

登録情報

  • 単行本: 222ページ
  • 出版社: 光文社 (2002/10)
  • ISBN-10: 4334923720
  • ISBN-13: 978-4334923723
  • 発売日: 2002/10
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 1,271,411位 (本のベストセラーを見る)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
前作「もう切るわ」というタイトルのひやりとした感じが忘れられず購入してしまった。余命いくばくもない、と宣告された人妻が若者と恋に落ちる…と、

あらすじだけを書くと随分メロドラマのようだ。だが、読んだ感触は全く違っていて、もうすぐ死んでしまう、という主人公の不安定さと登場する老婆や若者の不安定さが奇妙にシンクロしてそうっと関係が培われていく。そのそろそろ、ゆらり、とした感じこそが「ヌルイコイ」という所以なのだ。

中途半端なことをヌルイというのなら、このタイトルのヌルイは、ちょっと違うだろう。不確かなものに囲まれて、やっとわかる確かなもの。著者が伝えたいのはヌルイ水の中でちかっと痛みを感じるような熱なのかもしれない。

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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 藤田香織の解説が、あまりに型通りな解説だけれども大きな役に立った解説だった。ここ暫く響く解説に出会わなかったが、この解説は役に立つことがあった。
 それは、どうしてなつ恵が浜見に呼び出されるだけの不倫を続け、しかもそれが惰性ではなくはっきり好きだというのかということだ。理不尽でも、一方的でも、セックスだけでも、好きで終わらせられないこともあるということはもちろん随分前から頭では理解している。それでも何か完全には腑に落ちないところがあったのだが、藤田香織の解説ではっきりした。

 「相手の不機嫌に慣れ、傷つくことに慣れ、諦めることにも慣れた。芸能マネージャーをしている夫は多忙で、ほとんど顔を合わせることもない。待つことをやめ、期待することをやめ、考えることをやめた。」

 つまり、女は生きることをやめたとき、あんなふうに囚われてしまうんだ。理不尽な相手でも、理不尽な相手だから、嵌りこんでしまう。
 彼女は迫る「死」を受け止め、それを夫に伝えられるようになったという事実が更に自分自身が「死」を受け止められているという認識となり、やめていた「生」を再び生き始めたのだ。だから、あの囚われから決別したのだ。

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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
温度 2004/10/18
形式:単行本
雰囲気的には、
小川洋子さんに川上弘美さん色と江國香織さん色が入って、
生々しいところが無くなった。という感じか・・・?

恋愛小説は好んでは読まないのだけど、
恋愛なのか、人生観なのか、不思議物語なのかよく分からないまま
冷たい転びのぬるさの中で物語が進行してゆく。

虚無に近い寂しさを予感することもなく。
不思議そうなのだけど、現実感はきちんとあって。
登場人物はスッキリと美しい。
題と同じ温度感のある文体が好い。

読後に何か残るかというと、この温さ以外は無いかもしれないが、
そういった浸透度の高い作品が好きな方に。

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