音質が向上したニール・ヤングのソロ・デビュー作。音圧が上がり、バックの音がすっきりして細部まで聴き分けられ、ニールの声の説得力も増した。しかもヴォーカルと楽器の音のバランスは維持されている。
ジャケットも変わったことに気づきました? 元々本エディションのように字がない絵だけのジャケを予定していたのが、やはりアーティスト名がないと不安ということでNEIL YOUNGの文字が入り、絵の下の方がカットされて発売され、それが再発売の度に踏襲されていたのが、晴れて当初の意図通りのジャケットになった。
内容について:ニールの膨大な作品群を本作から順に集める必要はない。後年の彼のライヴの定番という点では、2曲目の「ローナー」、5曲目の「オールド・ラフィング・レディ」が重要だが、前者に関してはCD「ライヴ・ラスト」収録の演奏、後者に関してはDVD「ハート・オブ・ゴールド〜孤独の旅路」のエンド・クレジットに流れるアコギの弾き語りが私には最高。しかし、デジタル・リマスターされた音で本作収録版の私の評価は上がった。
1曲目がカントリー色万点のインストゥルメンタル曲であるように、彼が愛する牧歌的な生活を反映し、ジャック・ニッチェのストリングスを多くフィーチャーしていることから、後の「ハーヴェスト」や「カムズ・ア・タイム」に結実する、彼の活動の両輪の1つであるアコースティック路線の原点を本作で確認できる。アルバム・ジャケットの彼の肖像や「タルサへの最後の旅」等からはヒリヒリするような彼の繊細な感受性・自信と不安が交叉する心境が素直に吐露され、そのようなニールの一面をいとおしく思う者にとり、本作は無視できない。