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ニートピア2010
 
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ニートピア2010 [単行本]

中原 昌也
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

ここが文学の極北! 書くことの不可能性との苦しくも笑いに満ちた闘いの記録。あらゆるメーターを振り切る芥川賞落選後初作品集

内容(「BOOK」データベースより)

俺の名前は草吹大輔。ノンフィクション作家だ。三ヶ月前に全国の引き篭りの若者たちのインタヴューをまとめた『引き篭り悲喜こもごも』を出版し、それが見事に大ベストセラーとなり、各マスコミから時代の寵児と、祭り上げられたばかりだ。(表題作「ニートピア2010」より)。あらゆるメーターを振り切る、13の小説を体験せよ。

登録情報

  • 単行本: 314ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/02)
  • ISBN-10: 4163266607
  • ISBN-13: 978-4163266602
  • 発売日: 2008/02
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 213,615位 (本のベストセラーを見る)
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
「例えば、身体の、あらゆる部分が独自に意志を持って同時に機能し始めたとする。主体としての自分が解体され、分散された感覚として活動するのだ。
それが、可能であったならば、人は孤独から解放されるだろう。そのように考えると、非常に楽しい気分になってこないだろうか。
文字も同じように、文章として定められたある方向へと流れていくのではなく、各文字が独立した、この世界に放置された有機体のように、同時に存在を許されるような、絵画のようなものであってほしい。
言葉たちの個々の運命に我々が介在するようなことがあってはならない。(大意)」(『ニートピア2010』)というコンセプトをもとに書かれた短編集である。だから、小説に人生とか人間の心理とかを求める人が読んでもあまり楽しめないかもしれない(だからといって、楽しめる人ほうが偉いとも思わないが)。阿部和重などの小説と違い、かっちりした構造がないので、アメーバのようにぬらぬらした印象をうけた。

個人的には、『名もなき孤児たち墓』は不調だったが、今作で少し盛り返し、しかも、進化したように思う。中原昌也の過去の小説は、やたらテンションが高いパチパチした言葉や極端な馬鹿馬鹿しさが読んでいて面白く、それが快楽であった。『ブン殴って犯すぞ』や『誰が見ても人でなし』のスラッシュで区切られた怪しいセンテンス群は過去のその流れをくんでいる。今回はさらに、それに不気味さや迫力、映像化不可能な独特の「世界」を描けるようになっていると感じた。具体的には、『怪力の文芸編集者』『誰が見ても人でなし』『声に出して読みたい名前』『忌まわしき湖の畔で』のラストとか『誰も映っていない』などの作品である。
この本もそれなりに面白いが、『子猫が読む乱暴者日記』が個人的には傑作だと思うので、読んでない方はそちらを先に読んだほうがいいかもしれない。494円と安いですし。
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15 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
オススメ☆ 2008/2/22
By sandroc
形式:単行本
いつもと一緒と言えば一緒だが、ただ投げやりなだけでなく、
一つの話に一つずつくらいは仕掛けというかチャレンジというかサービスというか…
みたいなものがあるようで、やはり上手くなってきていると感じられる。
だから、どうせ同じかななどと思っていても、やはり読まされてしまうし、きっちり楽しめる。
「怪力の文芸編集者」のリズムはとても気持ちよく、
「事態は悪化する」では雑誌掲載時に井伊直行氏が
「かなり上手い人じゃないとできないと思う」と評していた、超長尺の一文が楽しめる。
装丁もとてもすばらしく、2100円も高くない。
意味不明なオビコピーも好き。
このレビューは参考になりましたか?
22 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 最新の短編集。昨年末、文芸五誌全てに中原昌也の短編が掲載されていて、溜まっていた依頼を一気に片づけたのかどうか、そういう舞台裏は知らないけど、単に現象だけ見れば、いかに人気作家であっても、明治期以来こんな事態ってあるのか?!とびっくりした。(←調べてません。小谷野先生か、坪内先生、教えてください) だから何?って……つまり、それだけの作家です。凄いです。
 勿論、ふいに挿まれる創作への嫌悪感はいつもながらで、「救い」を求めて書き続けてきたが、「ただグッタリするだけ」「救いがない。なさ過ぎる」、どのような人にホメられても「実は嬉しくも何ともない」し、こんな「自己憐憫を書き連ねる」ことは「読者に言われるまえに自分が一番退屈している」。「書けば書くほどに事態は悪化する」が、「ただ書いていれば幸せと感じるような、自己実現だけのために書いているような連中」「権威に憧れて、浮かれているような田舎者」が書いた本と同じ棚には並べられたくない。才能がないので同じことしか書けない。いい加減違うことが書きたいが、「違うこと」などない……そう、中原昌也の小説を読むと、気づくのだ。常に新しいもの、違うものを求める「読者」のほうがまちがっている。「違うこと」など何もないのだと。
 何の才能もない、と中原自身は言い切るが、作品に描かれる独特の、狂気を孕んだ時間感覚、恐怖を与える不条理感や邪悪な世界観は、他の誰にも生み出すことはできない。94ページから98ページまで続く、吐き気を催すような露悪的な言葉の連なりを、他の誰が書けるだろう?そして179ページから語られる、作者すら介在しない、純粋に自立する文字によって、絵画の域にまで高められた「言語表現」は、古今のあらゆる天才作家が夢見たものだろう。「小説など真の意味で誰も必要とはしていない」という一節は逆説で、小説は中原昌也のためにある。
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