はじめまして。フリーライター/ゲームジャーナリストの小野
憲史です。本書はゲームクリエイターで、立命館大学教授のサイトウ・アキヒロ
さんとの共同著作となっています。本書の内容を簡単に説明すると、「誰もが説
明書を読むことなく、パッと見ただけですぐに使えて」「使っているうちにコツ
がわかってきて、思わず熱中してしまう」ゲームやデジタル家電、ウェブサービ
スなどを作るための、さまざまなテクニックやノウハウが満載の本です。これを
本書では「ゲームニクス理論」として体系化しています。これって任天堂の岩田
社長が常々言っている「間口が広くて、奥が深い」ゲーム開発と同じ意味なんで
すよね。つまりこの本を読むと、任天堂のゲームのおもしろさの秘密が、もしか
したらわかってしまうかもしれない(でも保証はしない)、そんなお得な本なん
です。DSがヒットした理由については、二画面+タッチパネルだとか、脳トレだ
とか、いろいろ言われています。でも、その土台となっている部分って何でしょ
う。それが本書を読めばわかる。それが「ゲームニクス理論」なんです。「ニン
テンドーDSが売れる理由」それはズバリ、ゲームニクス理論が豊富だから、なん
ですよ。でもそんな重要な話、ただのライターが書いても誰も信用しませんよ
ね。大丈夫。共同著者であるサイトウさんは、ファミコン時代から20年以上にわ
たって、任天堂や他のゲームメーカーと共同でゲームを開発してきた、バリバリ
のゲームクリエイターなんです。代表作にはSFCとニンテンドー64で任天堂から
発売された「糸井重里のバス釣りNo.1」シリーズや、64DD用ソフト「シムシティ
64」などがあります。任天堂のゲーム開発のスタイルを、ちゃんとわかってる開
発者なんです。この本も共同著作と言いながら、ゲームニクス理論の中核となる
部分はすべてサイトウさんの発案によるもので、僕はそれを元に清書しただけで
す。だから大丈夫! ちゃんとプロが読んでも実践的な内容になっていると思い
ます。さらに本書のポイントは、このゲームニクス理論がゲームだけでなく、家
電やウェブサービス、さらには教育など、社会のさまざまな要素にも応用可能だ
ということが、ちゃんと示されている点です。DVDレコーダーのエンジニアや、
教育NPOの取材を通して、家電や教育の現場で何が求められているのか。それを
ゲームニクス理論で切ると、どのような解決法が見いだせるのか。そんなヒント
が満載となっています。ゲーム開発者、大学やゲームスクールなどで学んでいる
学生、家電エンジニア、教育関係者など、幅広い人に読んでいただきたい実践マ
ニュアルです。なお、もし本書を読んで「もう少し背景的な情報を知りたいな
あ」と思われた方がいたら、ぜひ姉妹書の「ゲームニクスとは何か」(幻冬社新
書)をご高覧ください。きっと役に立ちます。ホントです。