唐突に始まる非日常への旅がこの本の全てだ。
沖縄の美しさが目に浮かぶようで、今までの作者からは考えられない自然描写があり、実験作的な面も窺え、読んでいて作者がいかに沖縄に深い思い入れがあるかが伝わってた。
非日常を描くのが小説だがライトノベルと文学小説の違いは登場人物たちのリアリティだ。言うまでもなく文学小説の人物たちは常識的設定に基づいていて、読者は人物たちとの同化ができる。しかしライトノベルは人物たちや世界に『非日常』的な設定が施されていて、読者は人物たちにとっての非日常的行動を観察するしかない。そこが、ライトノベルが文学界で隅に追いやられている原因だと思う。
今作もそれに漏れず、主人公とヒロインは非日常的設定がなされ、彼らは彼らにとっての非日常を行動する。しかしそれこそがライトノベルの醍醐味だと思う。