数年前に「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」という
本の内容を理解するために悪戦苦闘した記憶があるので、
(自分にとって決定的に重要な内容のような気がしたので、本書を買うのには少し抵抗がありました。
当時は、少しでも理解しようと、原書やエックハルト・トールの朗読CD、講演CDなども
検索して買い求めました)
それに比べて、この「ニュー・アース」は、
流し読みするだけでも、たいへんよくわかります。心が文章を、砂漠の砂が水を
吸うように受け入れ、理解できるのです。
多少、私自身、エゴの狡猾な働きに気づきが深まったからでしょうか。
内容は「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる」とおおむね
同じで、より焦点がしぼられている感じです。
要するに、自我(エゴ、偽の自分…
あくなき欲求、欲望、他者への不満や怨念、葛藤、混乱、うつ状態などの原因)
の策略に気づき、自我なんて元々ないんだ、幻想なんだ…とさとること、
思考を超えた、すべてをつなぐ大いなる存在に気づき、つながること、
そのとき、今に生きる、やすらぎの人生が見つかる、
そんな感じでしょうか。著者は、いろいろな宗教的立場の人にも
抵抗のないように、フォロー(用語の選択)に気を使っておられます。
正しくは(詳しくは)、もしよろしければ、本書を手にとってお読みください。
本書を読むと、新約聖書の有名な言葉、もしクリスチャンなら暗唱しているような言葉
(巻末に引用聖句の章と節が明記されています)が、狭い伝統的な解釈を超えて、
人を本当に生かす、どちらかというと仏教的というか、
より普遍的な言葉として現代によみがえります。
同じ言葉でも、解釈、適応によって、一人一人の人を高め、生かすいのちの言葉にもなるし、
また、反対に、組織にしばりつけ、人や周囲を苦しめ、精神を破壊し、心の病に追いやるような
責めの(意味不明の)言葉にもなることがよくわかります。
権威ある言葉こそ、その解釈、生身の人間への使いかたに注意されるべきだと、
そんなようなことをエックハルト・トールも本書の中で語っています。
おそらく、今後も、エゴは葛藤、欲求不満に私(私たち)をいざないます。
もしそのワナにすみやかに気づかなければ、自分の心も周囲の人の心(関係)をも破壊してしまいます。
「ニュー・アース」は分厚い本ですが、実は、同じことを手を変え品を変え、
懇切丁寧に伝えようとしてるわけで、どこをひらいても、
「ああ、そうだった」と(いのちへの)気づきを得られるようになっています。
怒り、恨みに支配され、人(神)と戦い、下手をしたら、
希死願望、破壊的行動にとりつかれるような「闘争」の人生を選んでしまわないために、
「やすらぎ」のバイブルとして、座右の書にしたい気持ちです。
わかりやすさ、接近しやすさなどから言うと、
(類似の教えとしては、クリシュナムルティ、ラマナ・マハルシ、
ジャンポルスキーなど思い浮かべますが)
特に、悩み、苦しみの中にある知人に一番読んで欲しいと思う本の中の一冊です。
「ニュー・アース」というタイトルにもし抵抗があっても、
あまり気にしないで、とにかく手にとって中をお読みくださるよう
おすすめします。