面白い点、いい点も多かったですが、すご〜く不満な点があります。
それはこの本そのものの、うり込み方です。
本書のタイトルとスタンスが異なれば、もっと高評価していました。
本の内容というより、うり方が問題でしょうか。
本の表紙にあるタイトルには「お客の脳が勝手にかいたくなる!」とあり、
ピンクの帯には「簡単にうれる!お客が獲得できる」。
ページをひらくと、ページの3分の2を占める大文字で、デカデカと、
「あなたは、今 ニューロマーケティングに 引っ掛かりました!」。
さらに「このテクニックは簡単です!誰でも今すぐ使えるようになります!」と続く。
この煽り方、やりすぎです。とてもそんな内容の本だとは思えませんでした。
ニューロマーケティングとは、脳活動を計測しながら消費者心理を考えようというものです。
しかし、これは大変費用がかかります。なので本書では幾つかの事柄をつらつらと紹介するので、
それを読むことで「ひとりニューロマーケティング」ができる方向を目指す、とあります(p37〜40)。
つまり、本書の内容をマーケティングのヒントにしてください程度のモノです。
その他、不満を感じた箇所を少しだけ。
・まえがきにあるオバマ大統領の「グリーンニューディールと脳科学」はその後ほぼ放置。
・事例のほとんどがパチンコ(もしくは依存症)関連
・パチンコ以外の事例ついては全体的に踏み込みが浅い。
・「ポスターと脳」という項目では、5枚のポスターを紹介し説明が続くが、
実物がないのでイメージしにくい。諸問題で実物を出すのが難しければ簡単なイラストや
図形でもいいから出してほしかった。
・「刺激を与えるだけで売れる時代は終わった」と言いながら本書の表紙についての説明で
「あなたの視線をわずかな時間でもとどめておくため、嫌な感じでとどまってもいい。
心に引っ掛かればそれで“勝ち”(略)」。
また、本書はいくつかの反論を想定しているのか予防線を随所に入れていて、不自然さを感じました。
突然「世のため人のため」とか出てきたり。おそらく、
・ニューロマーケティングはコストが高い
・パチンコ依存症などをつくりだす、またはそれに近い層をターゲットにしているとの批判
・無意識へのアプローチに対する倫理的な問題
が気になっているのでしょうか。