ビリー・ジョエルの音楽的な頂点を示す大傑作。前作でブレイクした勢いで乗りに乗ったビリーの充実し拡散してゆく世界がこれでもかとばかりに表現され尽くされている。冒頭から畳み掛ける3曲の輝きだけでも、本作がいかによく出来た作品か分かる。特に"2.Honesty" は、時代を超えて聴き継がれる名曲となった。
さすがに今では70年代的テイストが懐かしい風情もあるが、楽曲はどれも秀逸で、練り上げられたメロディーが夜のニューヨークの佇まいの中で静かにスイングしているような趣がある。
それもそのはず、バックを固めるミュージシャンは、ジャズ・フュージョン畑の実力派ばかり。例えば、4.Zanzibarのトランペットがやたら最高だと思ったら、何とV.S.O.P.のFreddie Hubbardだ。これだもの、いい曲が最高に輝くわけだ。本作が単にビリー・ジョエルの最高傑作となっただけでなく、70年代最高の名盤の一つともなったのには、このサポートの力も大きい。
この後、次作でロックンロールにいったんブレるが、"NYLON CURTAIN"で確固たるスタンスを取り戻し、"INNOCENT MAN"で絶頂期を迎える。ビリー・ジョエルの歴史の中でも最重要の名盤。