余りにも、低い評価なのと、ページ数の薄さに、あまり期待せずに読んだのですが、面白さは予想以上でした。「街道をゆく」というと思い浮かぶのは、あまり、世間に知られていない地域を、氏の博識でもって、へぇ、こんなこともあったのか、こんな人もいたのかと驚かせてくれながら、その地域の本質をずばりとつく点にあるかと思います。そういう点から言うと、本書は、コロンビア大学講演の折に触れたことどもがふれてあり、ニューヨークについて、なるほどそういう地域だったのかと、ギリギリと本質に迫る記述はありませんでした。
ただ、ドナルドキーン氏や、彼に、多大な影響を与えたコロンビア大学の日本人教授に寄せる著者の眼差しは暖かく、読み物としては、面白く読めました。
著者らしく、アメリカやニューヨークをえぐる本という先入観を捨てて、読み物として読めば、面白い1冊だと思います。