この本がどんな本かを解って貰うためには、「ニューヨーク・スケッチブック」の34編の短編と共に、巻末収められている「黄色いハンカチ」と言うたった6ページの物語を読めば良く解ります。
この「黄色いハンカチ」は、日本人なら誰でもが良く知っている「幸福の黄色いハンカチ」と言う高倉健主演の映画の原作です。
山田洋次監督が、この短編からイメージを膨らませて、この映画を作ったのですが、確かに、この短編を読むだけでそうした書かれていない主人公の人生が思い浮かんできます。
この短編集に収められた34編+1編のどの作品を読んでも、同様に主人公の抱えている人生が浮かんできます。
10ページ弱の短編でそこまで表現してしまう作者の実力のほどが窺えます。
どの一編を読んでも、そこには市井に生きる人間の人生が感じ取れる、素晴らしい短編集です。