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ニュークリア・エイジ (文春文庫)
 
 

ニュークリア・エイジ (文春文庫) [文庫]

ティム オブライエン , Tim O'Brien , 村上 春樹
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 900 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

ヴェトナム戦争、テロル、反戦運動。六〇年代の夢と挫折を背負いながら、核の時代の生を問う、いま最も注目される作家の傑作長篇

内容(「BOOK」データベースより)

元チアリーダーの過激派で「筋肉のあるモナリザ」のサラ、ナイスガイのラファティー、200ポンドのティナに爆弾狂のオリー、そしてシェルターを掘り続ける「僕」…’60年代の夢と挫折を背負いつつ、核の時代をサヴァイヴする、激しく哀しい青春群像。かれらはどこへいくのか?フルパワーで描き尽くされた「魂の総合小説」。

登録情報

  • 文庫: 655ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1994/05)
  • ISBN-10: 4167218178
  • ISBN-13: 978-4167218171
  • 発売日: 1994/05
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 141,549位 (本のベストセラーを見る)
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形式:文庫
1995年、ウラニウムの鉱山を売却し巨万の富を得た主人公ウィリアムは、核戦争への恐怖から庭にシェルターとなる穴を掘り続けている。が、妻ボビと娘メリンダは、まったく理解を示さない。それに先立つこと30年、ヴェトナム戦争の時代、ウィリアムは大学で「爆弾は実在する」というメッセージをアピールするうちに、チアリーダーのサラを初めとするグループで反体制運動を始めることになるが・・・。過去と現在の章が交互に出てきながら、主人公の神経症の原因を追って行く。

穴を掘る、つまり無を作っている、でもその虚しい努力をやめることはできないという矛盾は、セーフティ・ネットのない社会に生きることの、終わりのない不安感を描いているように思います。ヴェトナム反戦運動とその弾圧両方の暴力は、結局暴力には暴力をもって対抗するという、アメリカの力による正義の独善性を描きます。それは、いつ自分が追われる側に回るか、という焦燥感に直結しています。また元々誰のものでもないウラニウムの鉱山を、相手構わず売りつけ一山当てることを成功と見なす拝金主義。それは、自分が売ったウラニウムで核爆弾が作られ、それで殺されるのではないか、という恐怖感につながっています。

一見極端な設定ですが、現代アメリカの抱える病理のメタファーとして捉えるとこの小説の奥深さが見えてきます。この小説は、自助努力をマントラとして、他者への想像力や思いやりを欠かすことを良しとしてきたアメリカ社会の暗い部分を批判します。そして、この不安に満ちた社会は、我々一人ひとりが自ら蒔いた種に寄与しているのだ、というアメリカ人が目を背けたがる現実を突きつけるのが本書の凄さでしょう。

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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
純文学の力って何だろう、などと青臭い事をいい歳をしてふと考えてしまう。一気に結論を言えば、その唯一の拠所は読み手の「今・ここ」を揺さぶる力、なのかも知れない。本作は、いわゆる小説の完成度が最高というわけではない。もっと構成をひねり、テンポを変えた方がよいと思える部分も多々ある。しかし、この根底に込められた”生きる事への真剣さ”は並大抵のものではなく、その想いは完成度を凌駕する。憑かれたように穴を掘り続ける男の想いは、余りにパワフルかつ痛切に読み手に叩きつけられる。「反戦」「ベトナム戦争」「核保有国のメタファー」らの歴史・人文学的な解釈はいくらでも可能だろうが、僕はこの本にとってそれらは二次的でいいと思う。とことんまで自分や世界を見つめ、その中で、絶対に真剣に幸福を目指そうとした魂の輝き。この小説の底力は、すべての時代や状況を超えた普遍の地平へと我々を豪腕で導く。
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25 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
「カチアートを追跡して」や「本当の戦争の話をしよう」で知られる,ティム・オブライエンの作品。
核兵器の恐怖という幻想,あるいは日常の中で人々が忘れ去っている本当の恐怖に悩まされる主人公。
そして彼は穴を掘りつづける・・・

訳者村上春樹の文章と、ティム・オブライエンの世界観が非常にマッチしており,翻訳本であることを忘れさせるくらい,読者をひきつける作品にしあがっています。
訳者村上春樹は、この本は本当に素晴らしい作品なのだがあまり売れなかったという。
なぜこの本が売れなかったのか、この本を読み終わったとき、きっとあなたも不思議に感じるでしょう。

そして,もうひとつ、この本を読み終わった時に,あなたは感じるでしょう。
「はたして,何が現実であり,何!!が幻想であるのか。」と。
不思議な読後感は後を引きます。
そう、「やられちゃう」のであります。
ぜひともおためしあれ!

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