この書では格変化の並べかたや呼び方が昔の教え方と異なるため,ロシア語を過去に勉強されたかたなどは戸惑うかもしれません。最近のロシア語の教え方でもこの書と同じ,「主対属前(所)与具」の順となっているため,これが多分最近の改良された教え方だと思います。昔のロシア語学習では(ドイツ語でも)とりあえず格変化を覚えさせるため,「スタカーン,スタカーナ,・・・」と「主生与対造前」の順で詰め込んだものでした。この書では格変化を順に教えていく新しいやり方をしています。ロシア語などのスラブ語系の言語を始めて学ぶかたには本書の教え方をお勧めします。
私のウクライナ語学習では,昔のようにとりあえず7つの格を昔の並びで,かつ昔の呼び方で棒暗記することから始めました。すなわち,黒田先生の「ウクライナ語基礎1500語」で格変化を先に学習してから本書を手がけました。過去にロシア語を学んだ経験をお持ちなら,この書や中井先生の(ウクライナ語入門)で昔の覚え方をなされても良いのではと思います。
内容については,入門書であるものの,かなり詳しいと思います。各課は4ページにまとめられ,最初の見開き2ページで会話文と訳文,語彙や決まり文句の解説がなされています。次の2ページが文法の解説です。うまくまとめてあるという気がします。
CDが付属されているため,聞くこともできます。語学学習では,読むだけでなく,聞くことも大事であることは言うまでもないことです。特にせっかく美しいウクライナ語を勉強するのなら,ぜひ聞くべきです。私は最初,ウクライナ語を聞いたとき,その美しさにびっくりした思い出があります。
ウクライナ語の教本が少ないこともあり,その中で,教え方・内容・音声付の三点からこの書が最良であると思います。