なりたい職業の上位にキャバクラ嬢がランクされたことで話題になった『日本溶解論』を書き改め、文庫化したものである。
何より調査結果が刺激に満ちている。
多くの調査を踏まえた上で、著者は言う。<貧しい家庭に育った、勉強好きでもない、大学にも行かない若い女子が、結婚せずに、経済的に自立し、一人暮らしができるくらいのお金を稼ぐにはキャバクラ嬢になるしかないのだ>(P.78)という結論には、見過ごせない重みがある。
<「人間は死ぬと、いつかまた別の人間や生物として生き返る。」と信じる者も女子高校生で四七・一%、男子高校生で三七・八%いる>(P.112)という結果もある。さらに、奇跡、死後の生まれ変わり等を信じている者を分析してみると、女子では、<これらのものを最も信じているのは、女子全体よりも学校レベルや生活水準や容姿への自信が高いクラスタの女子>であると結論されている。驚くべき調査結果であり、分析結果であるというほかない。
この本は、分析の結果を読むものと云うより、多様な調査の結果を、読者自身の興味に応じて利用し、考える材料にするものではないかと思う。そんな時、本書は、現代という時代を考えるための参考書として必読のものといえる。
とはいえ、読後心に残るのは、ごく普通に真面目に生きている人々の、あまりにせつない姿である。