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ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書)
 
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ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書) [新書]

山口 誠
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「最近の若者は海外旅行に行かなくなった」といわれて久しい。二十代の出国者数は一九九六年にピークを迎え、十年あまりで半減した。それを若者の変化だけで問題化するのは正しくない。海外旅行の形も、大きく変わってきたのである。本著は『何でも見てやろう』、「地球の歩き方」、『深夜特急』、「猿岩石」など、時代を象徴するメディアとそれらが生まれた社会状況を分析し、日本の若者が海外をどう旅してきたのかを振り返る。そして現在の海外旅行が孕む問題の本質を、鮮やかな社会学的アプローチで明らかにする。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

山口 誠
1973年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会情報学)。現在、関西大学社会学部准教授。専門はメディア研究、歴史社会学、文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 254ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/7/7)
  • ISBN-10: 4480065598
  • ISBN-13: 978-4480065599
  • 発売日: 2010/7/7
  • 商品の寸法: 17.5 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
「何でも見てやろう」から「猿岩石日記」までの海外放浪本に歴史的意義を与えた、日本の旅行とメディアを語る上で画期的な本。海外旅行者の減少という疑問から出発した本書は、ガイドブックと旅行作家を軸に、個人旅行の歴史を旅しながら、日本人が海外をどのように旅し、旅の中で何を考えてきたかを考察する。格安航空券やスケルトン・ツアーなどの方法論に加え、本書では近代において高速化した移動を、旅先に身を浸すために遅く移動する「歩く旅」が個人旅行の精神であったことを、個人旅行向け海外観光ガイド本の記述の変遷から明らかにする。

沢木耕太郎、蔵前仁一、下川裕治など80年代後半から盛り上がってきた日本人の海外放浪文化の考えを「自分探し」「日本人探し」などの言葉で、時代背景を絡めつつ読み解く。96年以降、海外旅行者が減り続けている理由を著者は、格安航空券とスケルトン・ツアーの高度な発展により、「買い・食い」を目的としたアジアやビーチリゾートに数日間滞在の個人旅行=「歩かない旅」が盛んになりすぎために、若者が「買う、食うならどこでも同じ」という海外旅行観を持ち、飽きが生じたからではないか……と見る。

本書刊行の半年前に上梓した「地球の歩き方」の歩き方の取材結果も反映した、海外放浪から「買い・食い」に軸足が向いていったことを検証する観光ガイド分析は鮮やか。「歩く旅」のために開発された旅行手法が「歩かない旅」の隆盛を促し、やがては旅行離れの要因となった、とするストーリーも面白く、ぐいぐい読ませる。本書は個人旅行という新たな社会史を切り開いた。また、新書ながら驚くほど濃密な内容で、様々な研究発展の芽が内包されている。研究を抜きにしても旅行好きや上記の旅行作家の流れをくむ作品を愛読する人も、自分の思い描く「旅」像を再発見することになるだろう。旅を考える人には本書を薦めたい。
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9 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:新書
 日本の若者たちが戦後どのように海外旅行に出るようになり、それがなぜ近年の若者たちは海外旅行への情熱を失ってきてしまったのかについてまでを考察した新書です。ガイドブックやテレビ、旅行雑誌に至る海外旅行を扱うメディアの変化と、航空券ビジネスの変遷とを見つめた論は明快至極。短時間で日本の海外旅行事情史を概観できる大変手ごろな新書といえます。

 若者の海外旅行熱が減ってきたのは、70~80年代のバックパッカーが実践してきた「長期間歩くことで、現地が積み上げてきた文化や歴史の文脈に自らを接続していく」タイプの海外旅行が、近年スケルトンツアーの隆盛によって短時日で歩かずに「買う/食べる」だけの消費型旅行へと変わったためだという著者の論考は、実に胃の腑に落ちる思いがします。なぜソウルでなければならないのか、なぜ香港であってマカオではないのか、という旅先の選択理由が旅費の高低にだけ収斂してしまう「歩かない旅」に、著者は大きな寂しさを感じているのです。

 私自身は80年代半ば、プラザ合意の恩恵を受ける直前にバックパッカーをした経験があります。小田実の「何でも見てやろう」に感化されて、往復の航空券だけ握りしめて、ヨーロッパ大陸をデタラメに無計画に何日も一筆書きで歩いたクチです。本書でいうところの第一世代のバックパッカーでした。
 確かにあのころ、経済的な余裕がなかったために「買う」と「食べる」には縁遠い旅をしていました。しかし一方で、現地で出会った人々とのなにげないおしゃべりに楽しい思い出を紡いだり、絵画や寺院、遺跡のたぐいに、ヨーロッパの歴史の重みと美しさを感じたりしたものです。国境を越えるたびに空気の匂いまでも変わる経験に、日本では得られない新鮮な驚きを覚えたものです。

 そうした自らの体験に照らしても本書の著者が訴える「歩く旅の復権」には大いに頷くところがありました。
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形式:新書
この著者はバックパッカーだったのが、よくわかるレポート。日本の若者の海外旅行(バックパッカー)を、小田実世代、深夜特急世代、猿岩石世代の3つに分けて、語っている。「地球の歩き方」の成り立ちから、変遷、(私も今のように普通の海外旅行ガイドになってしまったのは残念なのだが)、エイビーロード、インターネットなどの登場による、海外旅行に対する、情報入手、チケット入手の移り変わりなど、なんとなく感じていたことが整理されている。
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