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ニッポンの書評 (光文社新書)
 
 

ニッポンの書評 (光文社新書) [新書]

豊崎 由美
5つ星のうち 3.1  レビューをすべて見る (28件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 777 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

いい書評とダメな書評の違いは?書評の役割、成り立ちとは?一億総書評家時代の必読書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

豊崎 由美
1961年生まれ。ライター、ブックレビュアー。「GINZA」「本の雑誌」「TV Bros.」などで書評を多数連載(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 230ページ
  • 出版社: 光文社 (2011/4/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4334036198
  • ISBN-13: 978-4334036195
  • 発売日: 2011/4/15
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.1  レビューをすべて見る (28件のカスタマーレビュー)
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18 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 胡乱な議論, 2011/11/2
By 
懸垂百回 - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: ニッポンの書評 (光文社新書) (新書)
書評にまつわるエッセイ集。議論の展開が雑駁で,何が言いたいのかハッキリしない。

一口に書評といっても,その対象がフィクションかノンフィクションかで,書き方・読み方に違いがありそうである。だがこれに対する著者の態度が不明確。本書全体を通覧すると,「文芸」書評がテーマなのかと思えるが,第4講,第5講および第12講は,明らかにノンフィクションの書評も含めた議論だ。煎餅を食べていたらその中にクッキーが混じっていた,くらいの気持ち悪さである。

あるいは著者は,対象がフィクションだろうが何だろうが,書評であることに本質的な違いは無いという考えなのか。では書評の本質とは何か? 著者は「批評と書評はまったくの別物」(p.13)であり,その違いはネタバレの有無にあるという。つまり,ネタバレが許されるのが批評で,許されないのが書評というわけだ(p.52)。

しかし,この識別基準はフィクションを念頭においた区別ではないか。巻末の大澤聡との対談で,大澤はネタバレの問題が「文芸領域の話」(p.223)であると述べており,これに対して著者は異を唱えていない。

本書では「書評/感想文」の区別にも触れている(pp.108-114)。著者によれば,出来の良いものが「書評」で,悪いのが「感想文」である。したがって,読者が本の感想(面白かったとか,つまらなかったとか)を,自身のブログやAmazonのレビュー欄に掲載・投稿した場合,それは著者からみれば,出来の悪い書評=感想文として,非難罵倒の対象となるかも知れないわけだ。

しかもこのような「書評」が匿名でなされた場合には,卑怯者とまで呼ばれてしまう可能性がある。

「不思議でならないのですが,匿名のブログやAmazonのカスタマーレビュー欄で,なぜ他人様が一生懸命書いた作品をけなす必要があるのでしょうか。卑怯ですよ。他人を批判する時は自分の本当の顔,どころか腹の中の中まで見せるべきでありましょう。都合が悪くなれば証拠を消すことのできる,匿名ブログという守られた場所から,世間に名前を出して商売をしている公人に対して放たれる批判は,単なる誹謗中傷です。批判でも批評でもありません」(p.115)

ここでは「作者への批判/作品への批判」の区別が曖昧にされている。作品を批判することは,ひっきょう作者(=世間に名前を出している公人)を批判することと同義であり,そうである以上批判者も名前を出さなければ「卑怯」だ,というふうに読める。

だとすれば,(褒めた場合は別として)匿名での書評はおよそ許されないことになりそうだ。しかし,著者は直後にこう述べる。

「精読と正しい理解の上で書かれた批判は,この限りではありません。というのも,そういう誠実な批判の書き手の文章は,たとえ匿名であっても "届く" ものになっているからです。届く文章は、前段で挙げた劣悪な批判がまとう単なる悪口垂れ流しムードから逃れ,批評として成立しうるものです」(同)

匿名でけなすのは卑怯,ただし真っ当な批判であればこの限りではない,というこのくだりは,読み解くのが難しい。

(1)ひとつの読み方は, "匿名での批判は卑怯だが,内容がしっかりしていれば批評(書評)としては成立する" というもの。つまり,書評の「書き手に対する評価/書評それ自体に対する評価」を区別したうえで,書き手・書評の双方を別個に評価するわけだ。しかし,(a)何故書き手自体を批判する必要があるのか(書評の良し悪しを評価すれば十分ではないのか)。(b)小説については「作者批判/作品批判」の区別を曖昧にしているのに,書評に対しては「書き手批判/書評批判」の区別をつけるのは何故か。

(2)もうひとつは, "匿名でいい加減に書かれた批判は単なる誹謗中傷で卑怯な振る舞い。匿名でも作品を理解して書かれた批判は立派な批評" という読み方である。多くの人はこのように読むだろう。だがこれだと,(c)いずれにせよ「自分の本当の顔」を見せていないにもかかわらず,何故前者は卑怯で後者はそうでなくなるのか,(d)書評の是非を決めるのは結局のところ中身の良し悪しであって,書き手が匿名か否かにさしたる意味は無いことになるのではないか。

どちらの読み方を採るにせよ,著者のこの言い分は,以下の場面で最大の威力を発揮する。それは,プロの書評家が出来の悪い書評を公表してしまったときである。この場合,「プロなら『読めないヤツ』という致命的な大恥をかきます」(p.115)。―しかし少なくとも,プロのわたしは匿名で書き散らす卑怯者よりかはマシな人間だ。プロなら内容で勝負すべき? 知るか。

文中に示されるこれらの見解が,ちょっと首肯しがたいものであること自体は,大した問題ではない。むしろオリジナリティを認めて良いだろう。問題は,これらを支える根拠が分かりにくいうえに,不十分であることだ。自分の言いたいことすら満足に伝えられない人間が,他人の作品の良し悪しを,読者に伝達できるものなのだろうか。
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35 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 とっても面白かったけど、素人の書評にそこまでアツクならなくても, 2011/4/30
By 
hamachobi - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)    (VINEメンバー)   
レビュー対象商品: ニッポンの書評 (光文社新書) (新書)
光文社のPR雑誌に連載されていたものを新書化。彼女の書評は、よく読むし、かなり好きな書評家なんだけど、素人の書評ブロガーやAmazonのレビュアーに噛み付いているところは、どうかな。面白いんだけどね。

書評と批評の違いや書評とは誰のために書かれるべきなのか、など、彼女の書評のスタンスというか、心構えについて書かれているところは、とても面白い。他の書評家の書評と自分の書評を読み比べているところなんて、他の書評をけなすだけでなく、自分の書評の出来についても客観的に評価してあって、著者の書評への誠実な、真摯な態度には感心するし、ユーモアあふれる書き振りにも共感する所が多い。
この本ではないが、芥川賞などの文学賞の選考委員の選評への批判なんかもとても興味深く読めた。

でも、素人の書評ブロガーやAmazonのレビュアーの書評へ噛み付くのはどうかなぁ。自分もブログとかAmazonにレビュー(書評なんておこがましくて言えなくて、感想文だけど)を書いているが、プロの書評家から批判されても、困っちゃうな。イチローに少年野球の選手が「なぜもっと上手く打てないのか」って言われてる気分。
たしかに、書評ブログやAmazonのレビューの中には、明らかに作者や作品に悪意を持って書かれたものも存在するけど、そんなの無視してしまえばいいのに...

自分が読む本を選ぶとき(あるいは読まない本を選ぶとき)、著者のようなプロの書評家のレビューも参考にするけれど、素人の書評ブロガーの記事やAmazonのレビューも結構、参考にする。もちろん、そのレベルには差もあるし、玉石混淆だけれど、そのレビューを読む側が、受け止める側が、取捨選択すればいいだけ。読んで不快な書評は読まなければいいだけではないかしら?著者のようなプロが目くじらを立てるほどのことではないように思う。

こんなこと、著者はわかってるだろうし、あえて挑発してるのかもしれないが、おとなげないかも。でも、面白本でした。
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62 人中、43人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 自称プロ書評家が書いた本 , 2011/5/4
レビュー対象商品: ニッポンの書評 (光文社新書) (新書)
著者である豊崎氏から「営業妨害をするな」と怒鳴られそうだが、あえて批判的なレビューを投稿します。

「買うんじゃなかったな〜」と言うのが、この本を読み終わった時に感じた率直な感想です。(あくまでも私の意見であって、他の人はどうか知りません。※豊崎氏が本の中で多用している逃げの文句を真似させて頂きました。 )

タイトルと出版社による簡単なレビューを見て購入したのが失敗の元でした。「ニッポンの書評」と如何にも総括的、総論的な内容を想像させるタイトルが付けてあるのですが、実際の内容から言えば「自称プロ書評家、豊崎由美氏の憤懣日記」とした方が本の内容からすると適切な気がします。

日記と感じたのは、それ位、散漫且つちぐはぐなもので本としての一貫性に欠けているからです。恐らくこの本は豊崎氏が講師を務めるセミナーでの講演内容と、雑誌などに掲載したコラムなど雑多な物を寄せ集めて一冊の本に仕立てたものの様です。並びや、章題の上に第○講などと振って体裁を整えたりと少しだけ工夫を凝らしている様ですが、労力はさほど費やしてはおらず非常に安易且つ安直な作りの本です。何れにしても「ニッポンの書評」というタイトルに見合った物とはなっていません。

せめてタイトルを「プロ書評家 豊崎由美の憤懣日記」なり、「書評をなめるな」位のタイトルにするか、もしくは書評について豊崎氏としての定見を確立した上(この本を読む限り、豊崎氏自身の考えが定まっていない、少なくとも矛盾ないし破綻している)で、きちんと一から書き起こして(この本の様に過去に発表したものをお手軽に寄せ集めて出版する様な安直な手法を取らずに)貰いたいと切に願います。

何れにしても今回のこの本は残念ながら駄本だと思います。
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