日本の恐竜や爬虫類化石にはしばしば「○○リュウ」の愛称がつけられる。そんな○○リュウの発見者たちに焦点をあてた貴重な1冊。化石の発見者というと、論文を書いた科学者になってしまいがちだが、数々の発見の裏には学者でも博士でもないプロの化石ハンターたちがいた。本書は彼らの話を丹念に追っており、類書にないおもしろさがある。
本書で紹介されるエピソードは昭和時代の古い話が主体だが、いずれも第1号の発見例に焦点に絞っているため。なかでも、東洋初の発見とされながら行方不明になったイナイリュウのエピソードはミステリーのような謎解き風で、本書で初めて明かされるトピックも多く、興味深く読んだ。年表や引用文献リストも新書にしては充実していて便利。文章が平易で読み物風のため、軽く読みたい人にもお勧め。