日本全国に、こんな得体の知れないすごい企業が山ほどあるとは! 知らなかった。現場なんか見たことない大学の経済学の先生が、これまた溶接トーチはおろか製図板すら見たことないとおぼしきMBAあがりのペーパー経営者と空疎な抽象論をかわすつまらない本はたくさんあるが、本書は現場にこだわる関満博が、日本中の物作りの最先端にいる中小企業の現場をインタビューしてまわった迫力満点の連載をまとめた一冊。全国をまわったせいで一つ一つは食い足りない部分もあるが、それでもその企業の何がすごくて、さらに技術的な解説とともにどうやってそこに到達したかのプロセスがきちんとまとまっていて実に有益だ。連載後の後日談も短いながら加筆されている。都会に出ないとビッグになれないと思ってる地方の高校生や大学生や、その他大企業大好き病(大企業しか知らない病)にかかってるお役人などにもおすすめ。日本の、特に地方部の底力を見直すことうけあい。