鈴木謙介さんのラジオ番組「文化系トークラジオlife」に海猫沢さんが参加していて、面白そうなことを話す人なので、本書を読んだ。
最低ラインの収入で働く人たちのドラマが、5つの連作小説で描かれている。
「ロスジェネ問題」なんて言われると、議論が一気にうさんくさく感じられるようなら、この小説を読んでみてもらいたい。
当事者たちは、そんな外からの言葉で状況を把握はしていないはずで、その世代が抱える”漠然とした不安”を、著者は、軽いノリのフィクションで写し出す。世情を冷笑するギャグも見所だ。
最終的に、学歴も収入もない登場人物たちは、自力でなんとかやっていく術を探し当てていく。
陽気なバブルなんて知らない世代が、不況下をポジティブに過ごしていくための”何か”。それが、ここには描かれているのではないだろうか。