核戦争後の地球を描いたSFは冷戦時代に盛んに生み出されました。
この「ナンバー7」もそのテーマの作品です。
新しい作品を描き始めるとき、手塚先生も緊張感を持って臨んでいるのか、冒頭のシーンが印象的です。
突然父親が家に帰ってきて、寝ている息子を叩き起こし連れ出します。
もう時間がないんだ。事情を知らない母親を撥ね付けます。
そして父親は、息子を眠らせて100年後にタイマーをあわせました。
あした戦争が起きる。お前は新しい時代の人類として生きるのだ。
有無を言わせぬ言葉と行動。
息子が気がついたとき、そこは100年後の日本でした。
そこは、放射能と宇宙からの侵入者によって生態系が作られた恐るべき世界でした。
あとがきを辻真先さんがお書きになっています。手塚先生の思い出を綴った文章が胸打ちます。
この作品は、日の丸に昭和36年から37年にかけて連載されたものです。