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著者は、「難しい」とおもわれがちな東ティモール問題を
やさしく、わかりやすく伝える。
文章は簡潔で洗練されている。同時に、現地のようすが
ビビッドに読み手の目の前に広がる、まるで映画を見ているような
気分になる。そしていつのまにか、読者は、この本の中に
はいりこみ、まるで映画の主人公になったような!気分になる。
でも、読み終えたとき思うのだ。この本に書いてあることは
つくりごとではない、現実なのだと。
そして、気付く。自分の手に、血糊がついていることを。
読者はそこで戸惑うのだ。自分の瞳にうつる美しい東ティモールの
人びとの笑顔と、自分の手についた血糊に・・。
そう、日本は、この美しい人々を虐殺、拷問など苦難に
追いやってきたのだ。第二次大戦末期3年間は、日本軍が占領して
そしてインドネシア軍の不法占領中は、その暴虐の共犯者となった。
私達がけして忘れてはならないことが、著者はこの本で訴えている。
大国の「国益」のために、人びとの命を奪ってはいけない。
そう強く感じた。それは、過去、現在、そしてこれから
起こるすべての紛争にあてはまる。
著者の平和へのメッセージが強く、そして優しく伝わる
とてもいい本だ。
支配と被支配の仕組みや実態を浮き彫りにしている。
また、昨今、マスコミでよく見かける「人道支援」という言葉の
意義も、この本を読んで改めて熟考させられた。
一人の日本の若者が、新世紀・新時代の世界に放つ平和の願いが
あらゆる示唆がつまった本。でも、その願いは、けして理想主義に
はしらず冷静な分析にも基づいている。これは、かなりの良書。
ノーム・チョムスキーが認めるだけある。