「ライオンと魔女」「カスピアン王子の角笛」ーーー今、順次映画化されて話題を
呼んでいる、≪ナルニア国物語≫。
本書には、ナルニア国物語がどのような経緯で完成したのか、また、C.S.ルイスの
一生がこの物語に与えている影響など、詳しく記されています。
まず、驚くのは豊富な写真飼料と、読みやすい文体。もしかすると、ナルニアに興味を
持った子供も読めるようにとの配慮なのかもしれません。
しかし、内容は子供向けではなく、物語同様とても深いです。
第1章:はじまり (ルイスの幼年時代)
第2章:夢と夢見る尖塔 (戦争の影とオックスフォード学生時代)
第3章:友人たち、神々、そして悪魔たち (ルイスの友人たちとオックスフォード)
第4章:ナルニア (トールキンに酷評されたナルニアとその執筆経緯)
第5章:不意なる喜び (ルイス58歳にして結婚を決断したジョイとの出会い)
第6章:影の国に別れを告げて (最愛の妻との死別とルイスの最期)
ナルニア執筆経緯で興味深かったのは、ルイスがキリスト教書籍を多く執筆し、キリスト教
についての論争では必ず勝利してきたことと、負け知らずのルイスが、エリザベス・
アンスコムという女性と論争した際、敗北してしまい、そのショック以来、キリスト教書籍
執筆から手を引き、児童書に専念して「ナルニア」が生まれたということです。
また、友人であり「指輪物語」の著者であるトールキンが、初めて
ルイスのナルニアを読んで、「これは駄作だ」と批評したことは意外でした。
ところが、この酷評にもかかわらず、他の友人たちが出版を進めたことにより、
ナルニアは世に出た、ということです。
確かにナルニアにはキリスト教の影響が盛り込まれているのを感じます。
ただ、ルイスは「子供時代に読んだとき、キリスト教についてピンとこなくてもいい。
大人になってからわかってくれれば」と言っていますが、実際には「子供達はアスランが
誰だかすぐわかるようですが、不思議なことに、大人にはぜんぜん、わからないらしい
のです。。。」とも手紙に書いています。
何の先入観も無い、子供のような真っ白な心で読んでこそわかる物語なのかもしれません。