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ナボコフ自伝―記憶よ、語れ
 
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ナボコフ自伝―記憶よ、語れ [単行本]

ウラジミール・ナボコフ , 大津 栄一郎
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,730 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

誰もが亡命者であらざるをえない時代の青春と、あまりにも幸福すぎる幼年時代をもった一青年の精神の漂白を描き、二十世紀自伝文学の白眉と評される作品。

登録情報

  • 単行本: 264ページ
  • 出版社: 晶文社 (1979/5/30)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4794922396
  • ISBN-13: 978-4794922397
  • 発売日: 1979/5/30
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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ウラジーミル・ナボコフはサンクト・ペテルブルグ生まれのロシア人作家で、1955年に発表された代表作『ロリータ』で有名です。しかし、その一見スキャンダラスな内容のために、大きな誤解を受けている作家でもあります。
彼はロシアで生まれ、ロシア革命に伴うボルシェビキの圧制を逃れてロンドンへ亡命し、ベルリン、パリを経てアメリカへと移り住むことになります。『ロリータ』や『ベンドシニスター』を初め、彼の著名な作品は英語で書かれたものが多く、この作家の驚異的とも言える教養が伺われます。
この自伝は、ロシアで過ごした幼年期から、アメリカへ移住するまでの「記憶」を綴ったものですが、他の追随を許さない美しさと批評精神に満ちています。自然の事物や事象、作家の周辺の人々、作家自身の心象、これらを描く文章は美しく、読者によっては耽美的に過ぎるといった印象を抱くかもしれません。また、余りにも鮮明な叙述のために、ここでの記憶の信憑性に疑義を差し挟むかもしれません。
しかし、記憶というのはあくまで個人の内に留まっているもので、それを作品として提示するに当たっては、その信憑性を取り立てて重視する必要がないとも言えます。原題は”Speak Memory:A Memoir”となっており、『記憶よ語れ:ある思い出』とでも訳せば良いでしょうか。このことも、記録としての正確性より、むしろ記憶が惹起する感覚が重視されていることを示しているのではないでしょうか。
この作品においては、記憶が単なる追想を超えて、一つの文学作品にまで昇華されています。その点を踏まえたうえで、ナボコフの表現力を堪能するのは如何でしょうか。また、ベルリン在住時以降の全ての短編を収めた『ナボコフ短編全集』を併せて読むと、この作品を読む楽しみが倍増すると思います。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書は世界的なベストセラーになった『ロリータ』の著者、ウラジミール・ナボコフが1940年、41歳の年にアメリカへ亡命移住するまでの自伝である。しかしナボコフ一族は1919年にすでに革命によって国を追われており、ナボコフ自身は英国のケンブリッジ大学での3年間をへて在ドイツの家族に合流する。記述はほぼ時間の進行に従っているが幼少期のかすかな記憶、次々に現れる何人もの男女の家庭教師、大富豪である生家と両親、あるいはその周辺の自然などに多くのスペースが割かれている。
長じてからのものとしては、自由思想家であり最後はケレンスキー内閣の大立者であった彼の父の回想が印象深い。また本筋としてではないが、レーニン治下の恐怖政治(拷問部屋や血だらけの壁)やレーニンが始めた強制収容所への言及がある。本書の出版は1951年であるからソ連邦の解体によって初めて世に受け入れられるようになったスターリンに先立つレーニンの役割がその時点ですでに明らかにされていた。しかしナボコフは同じ文学者ではあってもソルジェニーツィンではなかった。
ナボコフはこの回想録に深い愛着を持っていたと見えて1966年に加筆訂正版を出している。しかしこの訳書(1979年初版)は訳者に「思うところあってあえて初版に依った」とされる。新版による新しい翻訳が望まれる。
翻訳には苦心の跡が見られるが誤りや不正確な箇所が少なくない。字数が許さないのでとりわけ目立った一例だけを挙げてみる。訳書の53ページにナボコフの父が子供時代に家庭教師に蝶を捕ってもらうシーンがある。ところがそこでは蝶を捕らえられたかどうか不明のままである(実際は捕らえられてその後日談もある)。理由は「捕らえた」(netted)を「捕蝶網をふった」とあいまいにして、蝶に目を釘付けにされたまま捕虫網を受け取ろうとしていた先生がなんと「色鮮やかな蝿」に目を釘付けにされていたことにされている。「フライ」を律儀に蝿と訳したものだがこれはバタフライに決まっている。誤訳に気づかされるのは往々にして意味の通らない箇所で先へ読み進めなくなる時である。原著が名作ではあっても良い点は付けられない。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
さすが!! 2005/1/18
ロリータ・コンプレックスという言葉の由来である『ロリータ』で有名なナボコフですが、この作品もすばらしいです。ロシア革命に巻き込まれた彼の数奇な運命が、巧みな描写で描かれています。ナボコフを知らない方は是非読んでみてください。彼の生き様を知ると共に、作品全体に散りばめられた表現の豊かさを感じ取ることができるでしょう。
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