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ナビゲート!日本経済 (ちくま新書)
 
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ナビゲート!日本経済 (ちくま新書) [新書]

脇田 成
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日本経済の動き方には法則がある。それは「体質」といってもいい特性である。経済はどう動き、どう認識され、そして時にどう「誤診」されるのか。それをよく知れば、地価や株価の変化を察知し、予想外のショックにも対応できる。本書では、さまざまな経済データを用いて「病状」を読み解き、不景気の病因を「診断」し、経済学で「治療」を試みる。大局的な視点から日本経済の過去と未来を整理する、信頼できるナビゲーター。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

脇田 成
1961年京都府生まれ。マクロ経済学者、首都大学東京経済学部教授。東京大学客員教授兼任。東京大学経済学部卒。博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 245ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/01)
  • ISBN-10: 4480065288
  • ISBN-13: 978-4480065285
  • 発売日: 2010/01
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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16 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By RYSK
形式:新書
筆者は「リフレ派か構造改革派か」などといった既存の枠組みから考えはじめるのではなく、海外の経済理論を援用しつつ日本もそれに合わせようとするのでもなく、常識を疑い、緻密に丁寧に統計データを使って分析している。だからこそ筆者からは、日本経済の変動を長期的な"トレンド"と短期的な"サイクル"に区別し、"病状"によって治療法を使い分けよといった柔軟な知が生まれるのだろう。独自の理由から雇用規制を主張しているし、拡張的金融政策も条件付で認めつつ、かといって市場至上主義・小泉改革を全面的に否定したりもしない、といった第三の道を筆者は模索している。

比喩を用いたりしてなるべくわかりやすく書こうとしているのが伝わってくるが、けっこう専門的なところまで踏みこんではいる。しかしそれは「ここを削ってしまってはわかりやすくなっても意味がない」という筆者の誠実さの表れと捉えるべきだろう。

巷間に流布するリフレ派か構造改革派かという二元論は、おそらく筆者にとってナンセンスであろう。本書が硬直した日本経済の議論に風穴を開ければいいなと思う。

 景気の「診断」と「治療」
「平熱」と「発熱」―経済政策のインパクト
「病状」の進行―経済の基本リズム
「モルヒネ」としての金融政策
「病巣」の「転移」と「再発」―金融危機への波及
「手術」の成功と「リハビリ」の失敗―小泉構造改革
「老化」と「生活習慣病」―これからの日本

以上の全7章。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
私は非経済系学部で経済学に関しては本当に初歩的なミクロとマクロの理論を独学しただけなのですが、同じような経済学初学者の方向けにレビューを書かせて頂きます。なお、本書の内容が妥当か否かにについて、私には判断する力がないために、内容の妥当性に関してはコメントしません。代わりに、本書の書き方に関して述べさせていただきます。

本書は、新書にしてはかなりデータが豊富であるように感じられ、その点で、著者の一つ一つの主張や判断に関して根拠を確かめられるため、読んでいて安心できます。他の新書の場合には根拠となるデータがまるでなかったり、あってもごく僅かな場合が多いため、この点は優れているかと思います。もちろん、数あるデータの中からどれを抜いてくるか、またデータの読み方が重要だというのは確かですが如何せん、そこは新書なので分量的制約もあります。この分量(240ページ程)にそこまでの厳密さを求めるのは無理ですし、新書の存在意義からしても、それを求めるならば学術論文にあたるべきなのでしょう。
ただ、少し気になったのは、本書は経済学をどの程度学んだ人間を読者として想定しているのだろうか、という事です。というのは、本文中にはところどころ比喩が用いられており、著者の「分かりやすさ」への配慮を感じさせるのですが、その割りには比喩や説明なしに論じられる部分が(初学者には)高度な気がします。
例えば、ハイパワードマネーとマネーサプライ(ストック)の違いについての説明や、購買力平価説などについての比喩がありますが、これらを知らない読者が本書を読み通すのは厳しいのではないでしょうか。また、本書を読み通せる読者であれば、マネーサプライや為替レートなどについても当然知っているかと思います。この点、ターゲットとする読者のレベルをもっと明確にして、比喩を使うなら4章2節などの難しい部分の説明を詳しくした方がよかったのではないかと思います。いずれにしても、経済学を全く学んだことがない初学者以前の人が読むには、少しハードルが高いと思います。(もちろん、本書の内容的価値が損なわれるとかいうのではないです)

ちなみに、個人的には、昔からの岩田規久男氏に加えて、最近メディア露出度が高い論客が増えてきたリフレ派(高橋洋一氏、勝間和代氏、飯田泰之氏、森永卓郎氏etc)の主張に対してデータによって反論している箇所は勉強になりました。(著者は、企業がもはや資金余剰主体になっておりインフレ誘導しても投資は増えそうもない上、そもそも日本経済は貨幣の流通速度がマネーサプライ増に従って下がってしまうために金融緩和してもインフレになりそうもないという。)
もちろん本書とリフレ派のいずれかが絶対的に正しいなんて事はありませんが、また一つ視野が広げられた気がしてよかったです。
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By 仮面ライター VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
  
 本書の概要をざっくりと言い表すならば、先ず、「日本経済」の体質を診断し、次に、昨今の症状の病因を探って、最後に、治療方針を提起している、といったところであろうか。この流れを説明するに当たって、筆者である脇田成氏(首都大学東京教授)は、特に、経済データを重視、活用しており、このことも当書の大きな特徴であろうか。そして、結論的に述べると、短期的な視点では、景気変動にはサイクルとトレンドの2段階がある、ということを踏まえた上で、以下の2点で縮約される中長期的な方向性が大きなポイントだろう。

 それは、「中期的には家計に所得を返し、家計が望む需要が実現されること」であり、「長期的には少子化対策に全力を挙げる」(本書pp.242~243)ことである。殊に、中期的な方向性としての“家計に所得を返す”という意想は、「さまざまな理由から生産性が著しく低下した事態に直面した場合、マクロ経済政策は、生産性が低いにもかかわらず設備投資を後押しする必要はなく、劣悪な投資プロジェクトでなく消費全般に資源を振り向けるような工夫をすべきなのである」(齊藤誠『成長信仰の桎梏』)という考え方とも通底しよう。

 脇田教授は、「企業利潤の家計所得還元が不足していたあまり、今時の不況がより厳しくなった」(同p.241)という現状認識を本著で示す。なぜなら、当著にもあるように、日本のGDP(国内総生産)は約500兆円、その内訳は、家計等の消費支出300兆円弱、住宅を含む投資120兆円弱、政府支出90兆円強、純輸出(輸出−輸入)10兆円強とされる(同pp.48~49)。単純に言って、消費支出の減退はGDPを縮小させる。川北稔・大阪大学名誉教授の『イギリス近代史講義』にもあるごとく、「(消費)需要が経済を引っ張っていく」からだ。
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