著者は日本で長年働いたのちにナパに移り住んだ人である。
広告代理店での激務ののちに知った、ナパの魅力をあますところなく伝えている。
日本語でのナパに関する書籍や雑誌は非常に少ない。カリフォルニアワイン、特にナパバレーに詳しい人でもない限り、どのワイナリーを訪れるのがよいのか、宿泊やレストランをどうすればいいのか、調べるためのまとまった情報が得にくい。もちろん、情報だけならブログ, Web からしらべられるものの、この地を訪れるだけの魅力を伝えているものはそう多くない。
やはり、行ってみたい!という気持ちを起こすためには美しい写真、魅力を伝える文章は欠かせない。るるぶやまっぷるのような観光ガイドがすぐれている点の一つは、そういった気持を喚起させる写真が豊富な点だろう。この点において、そのような雑誌が極めて少ないナパに関しては、旅行者のブログやWebサイトはその役割を果たせているとは言い難い。
本書はナパの四季についても触れ、その魅力をエッセイ風に語っている。また、ナパが開拓され、ワイナリーが設立し、発展していく歴史過程についても十分かつ簡潔な説明が付け加えられている。ラグジュアリーなリゾートやレストランも紹介され、行ってみたいという意欲がそそられる。
いわゆる西海岸、サンフランシスコエリアを中心とした観光ガイドでは、日帰りのナパバレーツアーを紹介する程度でおしまいだが、この本を読めば、ナパバレーだけでしっかりと時間をとって過ごしたい、という気分になれることだろう。
実際、私がナパに対して当初抱いていたのは、カリフォルニアでワインが有名なところ、という程度だったが、そのイメージを十分に覆されるほどのインパクトを味わうことができた。そして、実際にナパバレーを訪れることになったのだ。
取り外し可能なワイナリー地図、代表的なホテル、インやワイナリーなどのリストもおまけとしては十分な充実度だ。