5巻まで読んでの感想は下記の通り
<長所>
1. SM描写の正確さ :近年SMプレイが注目を浴びる中、成年向け作品ですら、過激さのみを強調したり、縛り方や道具の使用方法を誤ったいい加減な作品が極めて多い。そんな中で、正しい縄の引き回し、道具の効果的使用事例、果てはプレイの注意点までさりげなくストーリー中に取り込んでいる本作品には驚愕と賞賛を禁じえない。
2. 表現力の秀逸さ :非18禁であり、当然性器の露出などは全くない。にもかかわらず、中途半端な18禁作品よりはるかに官能的である。描写力のみならず、登場人物のせりふにも読者の想像を掻き立てさせるものが散りばめられている。また、登場人物の関係展開においても、異性の幼馴染が居るものなら誰しもが抱くであろう淡い恋心を非常にうまく表現している。読んでいくうちに、気付くと登場人物に感情移入してしまうあたり、構成が実に巧みである。
<短所(というより読者への注意喚起)>
1. 安易な実践には走らないこと :本作品に見出すべき短所は殆どみられない。敢えて言えば、作品内でのプレイを安易に実践しようとしてはいけないという点である(例えば1巻における夜間の外出)。もっとも、実施時の注意点は5巻で述べられてはいる。「こういうプレイはこういうリスクが伴うのですよ」という情報がさりげなくストーリーに組み込まれているので、読者はそこを正しく汲み取るべきである。
<総論>
ひょんな事からボンテージ衣装を着てしまったナナに対し、カオルが何とか調教にもっていこうとする一進一退の心理描写が実に印象的だ。ついつい、「頑張れ、あと少しだ!」と言いたくなってしまう。1巻を購入した者は、直ちに2−5を追加購入してしまうことだろう。