本書は様々な人物が登場しますし、1人1人の追跡の様子が
克明に描かれていて、息を呑みながら読み進めていきました。
私はナチス関係の本はだいぶ読破してきたつもりですが、
事実や証言で構成されていて、まるでドギュメンタリーを
読んでいるかのように、よくぞここまで調べ上げたなぁと
感心&溜息しきりだったのが印象的で、多少、勇み足や強引な
やり方もあったのかもしれませんが、筆者の胸は残虐な殺され方を
した数多くの同胞達への痛いほどの思いで占められており、残りの
半生をナチ犯罪人の追跡調査と法廷闘争に費やしたその生き方や
人物像にぐいぐい引き込まれていったのを覚えています。
私のようにナチに関する様々な本を読んだ人達にも、そして
アイヒマンやメンゲレなど個々の人物に興味をお持ちの人達にも、
いかに普通の人間であり、人の親であった人々があの時代、狂気に
走ったかという生々しい行状やその追跡の軌跡に関して、十分満足
出来る内容になっていると感じます。
いろんな意味で手にしていただきたい一冊だと思いました。