冒頭、映画「砂の器」を一瞬だけだが想起してしまった。
全体的に、CTI時代のミルト・ジャクソンも顔負けの、サントラ/イージー・リスニング路線の大甘な楽曲が続く。
しかし、いつになくウォームなボビーのヴァイブと上手く溶け合って、なかなか耳に心地よい。
60年代のクールでスリリングなボビー・ハッチャーソンが好きなオールド・ジャズ・ファンは眉を顰めるだろうが、個人的にはこういう音、好きです。
アレンジのウェイド・マーカスは、マイルズ・ファンには、このアルバムと同時期、「レッド・チャイナ・ブルース」を手がけたことでも知られるが、ここではかなりまったりとしたストリングスを書いている。
ベースはロン・カーターと、何故か、ジョージ・デュヴィヴィエ。ドラムスがジャック・ディジョネットで、ピアノがハンク・ジョーンズという、なんだか妙な取り合わせ。
ギターのジーン・バートンシーニが、裏方だが、相変わらずいい味を出している。
今回の「ニューノート・クラシック・シリーズ」ラインナップの目の付け所は大変良いが、ライナーは、MUROという人と二木崇という人の対談形式で、3〜5月の30枚のリイシュー、全部これで通すつもりらしい。
これが、自家撞着、一人(二人?)よがりの無駄な発話部分が多く、読んでいてイライラする。(我慢して読むとそれなりに面白いこともあるが)
初CD化も含む希少作が多く、みんな情報に飢えている訳だから、原田和典あたりに、熱意はあるが整然とした文章を書いてもらったほうが、ユーザーにとってはありがたかった。