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この本では、平和なときには多分平凡な一生に終わったかもしれないような生い立ち、性格を持ちながら、残忍な組織、「ナチス親衛隊」(SS)をその育ての親で最後までトップであり、ヒトラーの後継者と指名された、ハインリッヒ・ヒムラーの生い立ちから死までを中心に歴史的な事実・事件、経過、人物等が丁寧に描かれている。
ドイツ現代史を一つの側面(ナチス親衛隊)から通史として見ても、よく理解できる。親衛隊のオカルト面等奇異な特徴が、ハインリッヒ・ヒムラーが性格付けたこと、親衛隊と国軍、また、親衛隊内部の組織内対立等が描かれおり、その方面に興味のある方にも勧められる。(シオンの議定書、ルーン文字等)
さらに、近年の日本で起きている、政府機関の犯罪行為(血液製剤、狂牛病等)や、企業による犯罪(雪印、日本ハム、東京電力等)は、組織の論理は国民の利益に優先するということを示しており、ナチス・ドイツとその親衛隊の論理も同じではないかと思われ、ぜひ組織を運営する方々には誤った道を繰り返さないことを肝に銘じるためにも一読をお勧めする。
なお、この本で一つ注文(欠点)があるとすれば、ドイツ語読みカタカナ語よりも邦訳した語彙を訳語として使って欲しかったと思う。(最初に「義勇隊またはフライコール」として後に「義勇隊」とせず、「フライコール」と書かれると前の方を読み返す必要がある。)
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