ナチス研究がライフワークという著者が書いただけあって、
当時では最先端の技術や社会制度がナチス政権のもとで生み出されたこと、
それが後付ながらも如何に現代社会に取り入れられ認められているか、
大変興味深く読むことが出来た。
ナチスの発明という題名からすると少し御幣があるが、
あの当時のドイツ人が考え出した発明には、
ナチスの援助やプロパガンダがあったため一概には否定できない。
とは言え、この本はナチスを擁護する類では無いことは明らかである。
私の知識は、世界史を専攻していたわけでないので、
フォルクスワーゲンとジェット戦闘機程度しか知っていなかったので、
そのほとんどは初見である。
アウトバーンは戦闘機の離発着に使っていたことは知っていたが、
なぜ造られたかという点については知らなかった。
現代で言えば、アメリカとロシアの宇宙開発がなぜこれほど傑出しているか、
そんな気づかない裏側を垣間見れ、面白かった。
ナチスの負の遺産ではなく、正の遺産について書かれた本書。
ナチスの歴史や解釈を試みる知識人よりも、
雑学や小ネタ程度に読もうとする人にとっては、これほど面白い本は無い。