メタローグ
今世紀における三大発見の一つとして、死海文書と並び、原始キリスト教の成立背景を知る上での重大な源泉と称されている。しかしこの異貌に次ぐ異貌の神々を記述した古代人の想像力は、なんと圧巻なことだろうか。それはグノーシス主義と呼ばれており、キリスト教とは双子の関係にある。異端として弾圧され続けたその教義には、世界創造神を悪の根源とし、その支配を超え、人間の魂の内に宿された至高神の霊に立ち帰ること、とある。神にも上級と下級がいて、この世界を造ったのは下級の方だと。社会からの疎外感が強い時代なら、いつどこにでも成立しうる思想、との訳者の指摘が大変興味深い。(小林浩)
『ことし読む本いち押しガイド1999』 Copyright メタローグ. All rights reserved.
出版社/著者からの内容紹介
ヨハネのアポクリュフォン/アルコーンの本質/この世の起源について/プトレマイオスの教説/バシリデースの教説/バルクの書