『ヒロシマノート』(大江健三郎)から遅れること44年、平成21年出版された『ナガサキノート』戦争を知らない若手記者の聞き書きである。親も戦後生まれの20〜30代の記者という。本書は朝日新聞長崎県内版を再構成したものである。
ハイヒールに憧れていたが、被爆の後遺症でその夢が叶わなくなった女性。
火葬される前、ふりそで姿の二人の少女(当時9歳)の母(106歳)が鎮魂と平和への祈りを込めて折った折鶴。
大やけどを負った兄は大きな声で「天皇陛下万歳」と三唱し、息を引き取った。腐敗臭がきつく、父が「長う置かれんけん、燃やそうか」と家の残骸の木材を組み上げた。焼け終わるまで、父とじっとみつめていた妹。
300人近くいたはずの生徒のうち、生き残った14人だけで行われた城山国民学校卒業式。昭和21年3月23日稲佐国民学校の仮教室での卒業式には、ただただ涙の中、卒業証書が手渡された。
涙なしには読めないナガサキ原爆記録ノート、戦後64年にして刊行される。