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ナウシカ解読―ユートピアの臨界
 
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ナウシカ解読―ユートピアの臨界 [単行本]

稲葉 振一郎
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

成長する物語『風の谷のナウシカ』は、現代の思想的難問にいかなる解決を見いだしたか。付録―インタビュー・宮崎駿氏に聞く

内容(「MARC」データベースより)

成長する物語「風の谷のナウシカ」はその内的なテーマと思想的難問にも拘らず完成した。その難問とは何か。作者はどんな解決を与えたのか。それは本当に解決となっているのか。巻末に宮崎氏へのインタビュー。

登録情報

  • 単行本: 221ページ
  • 出版社: 窓社 (1996/02)
  • ISBN-10: 4943983871
  • ISBN-13: 978-4943983873
  • 発売日: 1996/02
  • 商品の寸法: 19 x 12.4 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 134,694位 (本のベストセラーを見る)
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32 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
「ナウシカ」の孕んでいるテーマが深甚であるだけに、言葉と概念とをもって語られることの意義は大きい。特にマンガ「ナウシカ」は、アニメ版が環境や権力など諸問題の「形象」であるに留まるのに対して、諸問題が複雑に入り組みしかも二転三転する。概念を用いてそれを解明するという意味で、本書は「読解」でなくて「解読」という題を冠するのだと思う。……「青き清浄の地」が、実は触れがたき地であるという事実。ここに論旨があり、『人間の条件』や『啓蒙の弁証法』なんかを参照してユートピア論を展開する。本書はむしろ「ナウシカ」という親しいテクストを介したアーレントやアドルノ・ホルクハイマーの入門書かもしれない。けれども「ナウシカ」のユートピア観が相当ハイレベルなものであることは解る。読んで実際スゴいと思った。著者が、宮崎駿は思想家だと言っている箇所があるが、私もそれに同意したいと思う。
論の展開がテクストの複雑さに引き摺られている点、著者はもう少し修行が要る。
このレビューは参考になりましたか?
50 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ユートピア論 2004/1/19
By ペトロニウス VINE™ メンバー
形式:単行本
よくある解説本とは違い、とても優れたユートピア論でした。

マンガ版ナウシカで、旧世界のエコ・テクノクラートたちは、汚れた旧世界を滅ぼし世界を浄化し、真の理想の生態系である「青き清浄の地」を創造しました。アニメ版では、「青き清浄な地」として描かれた場所が、実は選ばれた(遺伝子操作で去勢された)人類しか入ることができない外部であるが故に、政治指導者ナウシカは、それを否定し、歴史から封印しました。僕は、この部分に物凄い衝撃を受けました。それ以外は選択肢がありえないある種の理想であり、それを拒否すれば現生人類は滅びる可能性もあるのに、誰にも何も言わずナウシカは、それを封印してしまったからです。この部分を、ちゃんと理解したかったので、とてもいい参考書になりました。

確かに、アーレント、ノージックやジェーン・ジェイコブズが普通に引用されるので、ヨーロッパ哲学をかじっていない人には、難解な概念が続出する。けれど、分かりやすいある意味教科書的な導入書だと僕は感じました。

最近『経済学という教養』という、「目利きの素人ファン」を育てるという意図で書いた作品がある稲葉振一郎さんですが、こうした素人のための教養的位置づけを考える人は、専門家ではなくて、素人に分かってほしいという視点を持っている人です。この本も、その片鱗を感じます。

別にこんな解説を読まなくても、宮崎駿監督の作品は、最高のエンターテイメントであり、それで十分だとは思います。黒澤明監督の作品の思想性を語ること自体が、間違いなのと同じことです。しかし、ことマンガ版ナウシカの深さは、何かが違うと感じていましたが、これを読んで、すっげぇぇ~と、唸りました。

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注釈がほしい 2012/4/18
By rapuson
形式:単行本
漫画ナウシカをよく整理して読み解きたいとの思いからこの本を読み始めたのだけれど、やはり難しい。
社会学や哲学に興味はあるものの、専門知識がなさすぎる自分にとっては、本書を読み進めるのに一つ一つの言葉を丹念に調べて行かねばならず、読み終えるのに大変苦労した。
ただ、最初から最後まで難解だというわけでもなく、直接ナウシカのテクストを扱っているページが本書全体の半分くらいあり、その辺りは専門知識がなくても比較的読みやすかった
また、考察自体は納得できるものがあり、特に「同じ一つの事実と向かい合い、同じ一つの世界に共に生きているからこそ、様々に異なる立場、様々に異なる価値観のもとにある人々は、己の内に閉じこもることを許されないのである」という指摘には考えさせられるものがあった
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