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マンガ版ナウシカで、旧世界のエコ・テクノクラートたちは、汚れた旧世界を滅ぼし世界を浄化し、真の理想の生態系である「青き清浄の地」を創造しました。アニメ版では、「青き清浄な地」として描かれた場所が、実は選ばれた(遺伝子操作で去勢された)人類しか入ることができない外部であるが故に、政治指導者ナウシカは、それを否定し、歴史から封印しました。僕は、この部分に物凄い衝撃を受けました。それ以外は選択肢がありえないある種の理想であり、それを拒否すれば現生人類は滅びる可能性もあるのに、誰にも何も言わずナウシカは、それを封印してしまったからです。この部分を、ちゃんと理解したかったので、とてもいい参考書になりました。
確かに、アーレント、ノージックやジェーン・ジェイコブズが普通に引用されるので、ヨーロッパ哲学をかじっていない人には、難解な概念が続出する。けれど、分かりやすいある意味教科書的な導入書だと僕は感じました。
最近『経済学という教養』という、「目利きの素人ファン」を育てるという意図で書いた作品がある稲葉振一郎さんですが、こうした素人のための教養的位置づけを考える人は、専門家ではなくて、素人に分かってほしいという視点を持っている人です。この本も、その片鱗を感じます。
別にこんな解説を読まなくても、宮崎駿監督の作品は、最高のエンターテイメントであり、それで十分だとは思います。黒澤明監督の作品の思想性を語ること自体が、間違いなのと同じことです。しかし、ことマンガ版ナウシカの深さは、何かが違うと感じていましたが、これを読んで、すっげぇぇ~と、唸りました。
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