「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」が500円で見られるのは画期的なことだと思いますが、この映画のレビューを書くのはどうも今更感があります。ブードゥーゾンビに対するモダンゾンビ(食肉ゾンビ)を確立したジョージ・A・ロメロの名作、というかもはや古典であり、ベトナム戦争をモチーフにしていることや文明批判が隠れたテーマであることなども語り尽くされておりますので、いまさら私ごときがどうこういうような映画でもありません。そんなテーマやらモチーフやらを考えなくても、ホラーとして十分に面白いし、ヒヤヒヤドキドキです。閉じこめられた主人公たちが仲間割れしていくところなどは、この手の映画の常套手段とはいえ、巧い展開です。「閉じこめられている」という閉塞感が凄いです。モノクロゆえにゾンビが不気味です。意外に派手なスプラッターシーンはないので、その手の場面が苦手な人でも大丈夫です。ほとんど自主映画なんでしょうが、低予算のボロが余り感じられません。むしろこの映画は、自主映画として非常に良く出来たホラー、という範疇を超えて、その余りの影響力のため、いろんなファンが勝手な思いを込めてしまい、様々に語られすぎているという気がします。そのため敷居が高くなり過ぎているとしたら、不幸なことです。ドライブインシアターで見る映画ですから、ビールとかワインでも飲みながら、多くの人に気楽にその出来の良さを楽しんでほしいものです。