「聖少女バフィー」(すごい邦題だなぁ)やそのスピンオフ「エンジェル」、「宇宙大戦争:ファイアーフライ」その映画版
セレニティー [DVD]などを送り出したカリスマ・クリエイター、
ジョス・ウィードンの新ドラマシリーズ。
シリーズ自体は09−10の2シーズン、計27エピソードで完結済み。
ウィードン氏には5シーズン分の構想があったということですから残念な結果であったのかも知れません。
「バフィー〜」でも組んだエリザ・ドュシュクの為の企画と言うことで彼女が制作にも参加、体を張った熱演を見せております。
全米のオタク層から「神のごとく」支持されるウィードン氏ではありますが、その世界観はスケールが大きく、TVだとスローペースにならざるを得ず視聴率の面で苦労が絶えないようです。
本作も設定だけを見るとエリザ扮する「人形:エコー」が毎回新たな人格・特殊技能をインストールされた上でのアクション・サスペンスといった雰囲気でしょうか。
それが間違いと言うわけではなく、人質交渉人、盗みのプロ、サバイバリスト、バックダンサーなどに扮した彼女の活躍を楽しめます(しかも露出度の高いコスチュームばっかり!)。
しかし、ウィードン氏の作品がそんな単純なお話である筈もなく、中盤辺りからじわじわと物語の濃度が高まって来て俄然面白くなってまいります。
大きな流れは3つ:
1.ドールハウスとは何か:都市伝説の様に囁かれる謎の組織を追うFBI捜査官ポール・バラッドを通じてそのミステリーが展開されてゆきます。
2.エコーの抱える謎とは:”人形”としてミッションを次々にこなしてゆくエコーが徐々に記憶を取り戻し始めた時、彼女自身も知らない彼女の”目的”が浮上。彼女は一体何者なのか?
3.外部の情報と人物を操り、ドールハウスに迫る謎の存在、アルファとは:ハウスの管理者アデル、科学者トーファー達が”アルファ”を恐れる理由とは?
やはり本作の真骨頂は中盤から後半へのたたみかけるような展開にあります。
ウィードン氏はコメンタリーなどを聞く限り、かなりのインテリで一見馬鹿馬鹿しく思えたりもする物語の裏に、ちゃんと独自の世界観を構築していることが分かります。
フェミニストとしても知られており、本作も只のセクシー系のコスプレアクションとは全く別物ですのでご安心を(?)。
実際、登場人物たちの誰もが意外な別の一面を持っていたりする展開が後半には待ち受けていたり、人の「記憶=魂」を巡るサスペンスもあって楽しめます。
第一シーズンと言うことで全体のトーンやペースにバラつきがあることは否めませんが、知的で、おしゃれなSF・サスペンス・アクションドラマとして十分楽しめる出来だと思います。
いずれ映画の方でも大きくブレイクすると思われるジョス・ウィードンに注目していただきたいと思います。