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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
父権喪失社会に蘇った正統派教養小説,
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レビュー対象商品: ドールハウス (角川文庫) (文庫)
父権の抑圧というのは、かつては小説のテーマとしてありふれたものでしたが、父権の喪失が言われて久しい現代社会を、そのような社会の中にあって、例外的に父権的な家庭に育てられた女性の視点から眺める、というような小説は、意外となかったのではないでしょうか?ウェブを検索してみると、こんな家庭あるわけない、みたいなレビューを書いている人もいるので (ある意味幸せな人である)、こういう感覚がどれほど一般の共感を得られるのかわかりませんが、同世代の中では比較的父権的な家庭に育った者にとっては、かなりツボにはまる小説でありました。 本作は、著者によれば、「喪失記」「不倫 (レンタル)」と並んで「私小説三部作」を構成するとのことですが、単にマイノリティの感性を主張するというようなレベルではなく、作者自ら「主人公は未熟である」と喝破する突き放した視点があるため、一種の教養小説 (「路傍の石」とか「次郎物語」みたいなヤツね) にまで昇華されています。したがって、思春期にあって、いろんな種類の抑圧に悩む少年少女にもお勧めできる作品ではないかと思います。
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
遠い想像の世界のラブストーリーが苦手なら,
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レビュー対象商品: ドールハウス (角川文庫) (文庫)
恋多き女ではない、レンアイの苦手な女性ならば、この物語の中に描かれる恋とも呼べないような恋愛の過程に自分を重ねることが多々あるのではないでしょうか。主人公の受け身な行動、内にこもってゆく思いと、自己アピールへの恐れとそれによって相手に理解されずにいつの間にか幸せの風向きが変わっていく様、焦燥感、そしてそれをふっきったときのすがすがしさ。 どこか自分とは遠い世界にある恋愛が描かれるいわゆる恋愛小説はちっとも共感出来ないし、興味もないのですが、ここまで丁寧に現実的に描かれると、苦しいくらいの感傷が胸に迫ります。 抑えられてきた感情の表面化されない静かな爆発に、子供同士のそれではない恋を知り、変わり始めた当時の己の姿を重ねて一緒に静かに泣きました。「透明感のある」「キレイ」な恋愛小説に飽きた女性へ、是非。
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
悪くはない・・・が,
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レビュー対象商品: ドールハウス (角川文庫) (文庫)
悪くはない。
ここに書かれている毒親は、多少形が違っていても、実際に数多く存在する親であるし その被害者としての主人公も現実に大勢いると思う。 他人からみたら考えられないような親子のいびつな形とやりとりも、あるあると思って しまうような内容だと思う。親を介護する時期にきたら多くの人が通る道だろう。 しかし、何かしっくりこない。似たテーマの小説の中でもいちばんしっくりこない。 文章が下手なのではないだろう。ただ、もしかしたら著者がまだこの作品を書いた頃は この極端すぎる設定を書きこなせていないのかもしれない。もしくは、著者があまりに 繊細なために、時代(この物語を書いたその時代)の空気を無意識にも反映させすぎて しまっているのかもしれない。 どうしても共感するとか、入り込む、とか言うところまではいけなかった。ずっと 「小説を読んでいる」という感覚を忘れさせてくれなかった。
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