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最も参考になったカスタマーレビュー
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
機知と創造に満ちた楽しい小説,
By ノーツオンザロック (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ドンナ・マサヨの悪魔 (単行本)
マサヨは、老犬の声が聞こえる。そんな彼女が、娘の胎内から不気味な声で語りかけてくるアクマと対話する…そんな奇想天外な設定が面白い。要は、破綻しかけた熟年夫婦と、できちゃった婚の娘夫婦とが急に同居を始め、その出産までのドタバタ同居生活の話し。イタリアに留学していた娘が、突然、青い目の男を連れて帰国する。連れ帰ったのは、東洋美学専攻の学生で、生活力皆無、ただ優しいだけのアモーレ男。夫は、そんないかにも頼りないイタリア青年に悲鳴に近い罵声をあげ、キレる、すねる。 マサヨはそんなムコ殿を庇い、熟年夫婦と若い夫婦の二世帯同居生活が始まる。すると、マサヨに不気味な声が聞こえてくる… 「愚かな老女よ。」 生命誕生の神秘や人類の進化の奇跡を語るアクマにあくまでもマサヨは現実的。そのやりとりは、神学的であって猥褻で露骨。そのコントラストがとてもユーモラス。 熟年世代にとっては、痛いところも突いている。久々に読んだ、機知と創造に満ちた楽しい小説だった。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
娘の胎内に宿った生命からの、老女(母)への呼びかけがいい。,
By tos (岐阜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ドンナ・マサヨの悪魔 (単行本)
村田喜代子氏の作品との出会いは、「名文を書かない文書講座」以来であるが、やや怪奇的な魅力に惹かれ世代的にもファンとなった。さて、本書は娘の胎内に宿った生命が出産までの僅か10ヶ月少々の間に、古代生命誕生から人間に進化するまでを成し遂げる。これと平行して家族の出産に向けた準備と出来事とを織り交ぜてストーリーが展開するが、焦点は、その進化途中の生命と娘の母とのコミュニケーションである。娘が眠っている時を見計らって老女よ! ...と、呼びかけ威張った調子で語りかけてくる、その語り口と母親との対話の行方にしだいに引き込まれてしまう。生命誕生の神秘、魅力、不思議、をユニークな視点でクリエイトした面白さが堪能できる物語である。 なお、ある書物によると人間の脳は受胎から10歳位までにかけて、生命誕生(原始爬虫類)から新哺乳類までの進化が完成するそうである。かつて数学をテーマに大ヒット小説があるが、本書を読んでいて何故かサイエンスと文学作品に共通するものを感じた。生殖機能が過ぎた後の社会への役割についても考えさせられた。
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