ホリー・コールの魅力は、スタンダードも含め、全ての楽曲を自分の歌、として歌ってしまう力強さでしょう。
歌に入り込む・感情移入する、というよりは、歌を自分に引き寄せ、等身大の自分自身のストーリーとして
解釈し直してしまう、といったやり方です。
だから彼女の歌うスタンダードは、びっくりするほど現代的で、まるで何十年も前に書かれた歌とは思えない
ほど、瑞々しく聴こえるのだと思います。
"テネシー・ワルツ" や "ケ・セラ・セラ" なんて、下手すれば懐メロにしかならない歌が、こんなにリアルに、
切なく響くなんて、とってもすごいことです。
その他、コール・ポーターから、ジョニー・ナッシュの "I Can See Clearly Now" 、エブリシング・バット・
ザ・ガールの "Don't Let The Teardrops Rust Your Shining Heart" なんて多彩な楽曲に見事に
新しい魅力を与えています。
特に "Don't Let 〜" は泣けます。 "Everyday Will Be Like A Holiday" はジョー・ヘンダーソンの
サックスとのからみが最高にクール。そして全編で彼女の声と最高の相性を聴かせるピアノとベース!
ちなみに録音も最高で、いいスピーカが欲しくなります。
ほんとに非の打ち所が無い、女性ボーカル10年に1枚の傑作です。