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ドングリと文明 偉大な木が創った1万5000年の人類史
 
 

ドングリと文明 偉大な木が創った1万5000年の人類史 [単行本(ソフトカバー)]

ウィリアム・ブライアント・ローガン , 岸 由二 , 山下 篤子
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,415 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

これまで、人類史最大の謎のひとつは、「狩猟採集文化」から「農耕文明」にどうやって進化したのか、ということでした。10数万年前、アフリカで誕生した現生人類は、数万年前にアフリカを出たのち、氷河期のあいだに、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、そして南北アメリカ大陸へと進出します。そのとき人類は、まさに「マンモスを狩る」狩人でした。ところが、氷河期が終わった1万5000年前から1万年前にかけて、人類は世界各地で突然、定住生活をはじめ、そして農業を発明します。狩猟をやめ、定住し、農業をはじめたのはなにがきっかけだったのか?

本書は、そんな人類のミッシングリンクをみごとに埋めてくれます。狩猟生活と、農耕生活のあいだにあったもの。それは、それは、北半球の温帯に広く分布する木。OAK(オーク)。カシあるいはナラ。すなわちドングリの木、だったのです。氷河期の末期から、人類はドングリ林に定住し、ドングリの実を蓄え、栄養たっぷりで保存の効くドングリを食料とし、これを蓄え、あるいはパンを焼き、一方こちらを飼料として豚などの家畜を育て、ドングリの木を素材に家をつくり、柵をつくり、船をつくり、橋をつくり、大聖堂をつくり、武器をつくり、現在の人類の定住生活の礎としたのです。

日本では、常緑樹のドングリの木「カシ」の林をベースとして縄文時代に発達した「照葉樹林文化」が東アジア圏にはある、という論が依然よりありました。また、近年、落葉樹のドングリの木「ナラ」や「クヌギ」を維持管理するいわゆる「里山文明論」も、よく耳にします。いずれも日本あるいはアジアの独自文化としてこうした「ドングリ文明」は語られてきました。

本書によれば、ドングリの木をベースにした文明は、日本やアジア独自どころか、ヨーロッパ、中近東、アフリカ北部、アジア、北米の温帯すべてに普遍的に存在する、まさに狩猟文化と農耕文明のあいだをつなぐ、きわめてメジャーな文明システムだったのです。狩猟文化で獲物をとりつくした人類は、ドングリ林が無償で供給してくれる栄養価の高いドングリの実と、さまざまな加工ができるドングリの木(オーク材)に頼り、世界各地で定住生活を始めました。この定住生活の仕組みから、作物を人工的に育てる農業が次に発達したのだ、というのです。
それだけではありません。18世紀の産業革命で鉄と石油の時代が到来するまで、ドングリ文明はしぶとく人類を支えてきました。バイキングから大航海時代にいたるまでの船の多くはオーク材でできていました。世界中の建築の多くがオーク材に頼っていました。このように本書は、狩猟→農耕という単線的な人類史に「ドングリの森との共存と利用」という新しい視点を与えてくれます。地球環境問題の議論が高まり、生物多様性の重要性が叫ばれるいまこそ、人類を創った木、ドングリ=オークの大切さ、かけがえのなさを、本書でぜひご堪能いただきたく思います。

内容(「BOOK」データベースより)

古代西欧文明から、ダ・ヴィンチの絵画、大航海時代の帆船、日本の縄文文化まで。人類の歴史は、常にドングリの木=オークと共にあった。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 378ページ
  • 出版社: 日経BP社 (2008/8/28)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4822246914
  • ISBN-13: 978-4822246914
  • 発売日: 2008/8/28
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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15 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西山達弘 トップ500レビュアー
形式:単行本(ソフトカバー)
日本人は、ブナの森が好きである。春の息吹、夏の木立の緑の柔らかさ、そして秋の黄葉、どれもすばらしい。
また、里山とよばれるコナラやクヌギの雑木林も人間が長い間作り上げてきた森である。

本書は、これらのドングリの木と人類の長年の関係を解き明かした本である。まさに、ドングリの木がなければ、文明はなかったといってもいいくらいの関係であることに、驚かされる。
古代には食物の供給として、次いで鉄の製造に欠かせない木炭の供給として、大航海時代の船の供給として、14世紀に作られた最大の木造建築物ウエストミンスター大聖堂の材料として、ブルーブラックのインクの原料として、ビールやワインの樽として、などなど数々の事例に圧倒される。

また、関東地方以南の常緑照葉樹林を形成するシラカシやスダジイなどの木と、落葉照葉樹であるミズナラやブナなど同じ種の木とは思えないような多様性は、ブナ科の植物の遺伝子の変容性と氷河期の到来によってもたらされたという。

このように長い間、人類の発展に欠かせなかったドングリの木(本書ではオークと呼んでいる)であったが、今ではすっかりその価値も失われてしまっている。
ところが、本書の最後に深い質問がある。「エッフェル塔とオーク、どちらか一方を選ばなければならないとすれば、あなたはどちらを選びますか」。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
長く採集狩猟の文明を生きた人の祖先は、いまから1万年ほど昔、採集狩猟の文明から、農耕・牧畜の暮らしに移り、やがて科学技術の力を駆動力とする産業文明の住人となった・・・。私たちは、そんな風に、人類の文明転換の歴史を習ってきたのではないか。しかし、本書には、まったく別の文明転換世界が、すばらしいインパクトで語られている。採集狩猟の文明は、そのまま大規模な農耕牧畜の文明に転じたのではない。大氷河が後退し、日本では縄文海進と呼ばれる大温暖期にむかう過程で、北半球中緯度地帯には、広大なOAKの大森林帯がひろがった。狩猟採集のホモサピエンスの生活世界は、当然のことこの大森林帯につつまれてゆき、豪雨のようにドングリの降り注ぐその森の中で、「どんぐり」の木のにささえられる技術と文化の人となった。そこからの派生として、農業文明、産業文明は、唐突にではなく、実は、ゆらりゆらりと立ち上がったのかも知れないではないか。そう語られてしまえば、それは、真実にきまっていると、分かってしまうインパクトが、この本にはあるのである。ごりごりの学者というのではない、本当にしなやかな、達人エッセーイストの自由奔放で根源的な想像力の生み出した<完新世どんぐり文明賛歌>に、ただ乾杯をおくるの他なし。読むべし。読まれるべし。照葉も落葉も区別なし。どんぐりの大好きな子ども時代の幸せを思い起こすことのできるものたちから、まず読み始められ、語られ、うわさされ、さらにさらに読み広げられるべし。
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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
学校では「狩猟採集から農耕牧畜に社会変化した」とならったが、
「そんな、一足飛びに行くかね?」と疑っていた。
この本で、大分、すっきりした。
ドングリを中心にする暮らしは、狩猟採集と農耕牧畜の中間的なのだ。

「ドングリを保存するための穴が発見されている!」
私の実家でも栗を砂地に埋めて保存しています。
数年保存できるそうです。

「ドングリの木を使った道具や家が見つかっている!」
石づくりの遺跡の方が注目されやすいですが、
木の方が加工しやすいですもんね。
木は腐りやすいので、注目されないのでしょうけど、
木の文明の方が先だと思います。

なぜ、ドングリを保存しはじめたのか、その結果は?
実はそこに大きな歴史の鍵があると思うのですが、
その点は、記載されてませんので、こちらがおすすめ。
「人類史のなかの定住革命」(西田正規)
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