★2の上。
著者の6冊目(なかなか刊行されなかったため描かれた時期はもっと古いです)にして初のエロ無し一般作は表題作の長編『ドロテア』の第1巻。
未だ慧眼を見ない赤目の魔少女『ドロテア』。
戦火に赴いた少年『ギュルク』。
物語は二人の再会で幕を開ける。
火刑台の魔女『ジャンヌダルク』にそのモチーフたる原型をみてとれる中世魔女列伝的物語に、女性心理描写に長ける技巧派エロ漫画家として名高い著者が挑む。
初挑戦の一般作が始めての長編な上、まったく今までトライしてなかった分野に挑んでしまったため、作画レベル以外で平均点をあげられる項目は、正直一つもありません。
長編ストーリー漫画では、作品を盛り上げるためのその構成手段の第一に『ネタのバラ撒きとお話として開花させる時期のバランス』と『作品では語られない細部にまで及ぶ原体験にまで及ぶ分厚いキャラクター造り』が重要なポイントになってくると思うのですが、明らかに準備不足のため、お話にネタが追いついてこない形の行き当たりばったり的なものになってしまってて残念です。キャラの性格描写にも一貫性が見られず、成長期の二人とはいえ厚みは絶対に不足しています。
個人的には著者の大ファンなので、この作品を通じていろいろ成長してくれればそれで満足ですが、ファンの方以外にはちょっとお薦めしにくいドラマになってます。
少なくとも数多の傑作史劇的な漫画を期待するなら購入はお薦めできません。
『日本橋ヨヲコ』や『浦沢直樹』レベルの構成力が一日で身につくはずはありませんが、もっともっと勉強して将来に役立てていただけたらと思います。
終盤の雰囲気は悪くなくてドロテアも魅力的に描かれてますが、決めポーズをもっと大胆にしてコマ割りの流れの中でインパクトを与えるようにすればさらに感動を引き出せるんじゃないかなと思います。