森永博志という人の類い稀なインタビュアーとしての才能がなければ
この本は成立しなかったのではないかと痛切する。勿論ここに登場する
「ドロップアウトのえらいひと」たちの個々人がいかにも魅力的であり
輝いていることが大前提ではあるが、その魅力を引き出しているのは他
ならない森永さんである。
古くは柳ジョージの自伝「敗者復活」も森永氏の能力なくしては世に
出なかった作品であるし、矢沢永吉の「成り上がり」を糸井重里がまと
めた後で、何をしても「成り上がり」と比較対象にされる時期にたとえ
向うからやってきた企画であっても受けて立つ森永博志の姿勢に対して
敬意をはらいたい。
何をしても生きていけるし、どんな仕事をしても表現者である人は表
現者であること。その普遍性をこの本から感じれば人生なんてなんとで
もなるものだと思うのである。