今野氏は今や売れっ子作家として警察小説シリーズを多く輩出しているが格闘家でもある著者の作品は格闘技小説も面白い。
本作品は93年に「格闘パンテオン」として出版された小説を改題したもの。
内容は古武術家でありながら、サバイバルの専門家である主人公がプロレスラーと闘うことになるといった単純なもの。
しかしながら、著者の格闘技の知識が存分に盛り込まれているため、流れるように読んでしまう。
特に、試合前には緊張のあまり震える描写など、格闘技を経験した者でなければ描くことの難しい部分が巧く表現されているため、格闘家は気に入ると思う。
警察小説が勢いのあるヒットを飛ばしている今野氏であるが、今後、格闘技小説にもより力を入れて欲しい。