歴史についてカジッたり学んだりしようとする時、歴史的事件の起承転結を時系列に沿って読み解いていく方法と、歴史上のキーマンとなる人物の人生・生き様を垣間見る事により、その真髄・エッセンスに近づいて行く方法とが有るかと思います。本書は主に後者のアプローチによって、歴史の醍醐味と奥深さとを伝えてくれます。
筆者はテレビ番組等にも出演して、歴史の面白さ・興味深さを解説してくれている方で、本書の文章も視聴者に対するのと同様に、歴史初心者にも入り易い語り口となっていますし、そうかと思えば、”武田の騎馬軍は存在しなかった…”とか、”バルチック艦隊を破ったのは、丁字戦法では無かった…”とか、歴史好きには常識とも思えるこれ等の定説に反駁していたりもします。そういった意味では、歴史好きにも歴史初心者にも興味を持って読める内容かと思います。
個人的には、「高橋是清」と「与謝野晶子」の章などが知らない事実も多くて、読んでいてとても面白かったです。特に高橋是清氏は、当時こんなに破天荒な日本人が居た事に随分と驚かされます。
この後日本は、暗くて辛い太平洋戦争(大東亜戦争)へとひた走って行く訳ですから、現代史に於ける、ある意味日本人のハイライトを形作った人々の逸話だと捉える事も出来るかも知れません。