ブルース・リーの、紛れもない最高傑作。
内容は手堅い復讐もの。
師匠を日本人に毒殺されたブルースが孤軍奮闘し相手を追い詰めていく。
アクションだけではなくブルースの表情がまた素晴らしい。
怒り、苦しみ、笑い、泣く。
顔を動かさずに瞳だけで相手を見る、また相手を諭す様に、わずかばかりに首を振る。
大胆かつ繊細な演技を、ブルースは表情で完璧に表現をしている。
圧巻なのはラスト・シーン。
ラスト・ショット一つ前の彼の表情は、映画史に残る、と言っても過言ではない。
これほどまでに「表情」が映画全体を支配し牽引し印象的なのは、この映画をおいて他には存在しない。
ブルース・リーという存在が伝説となったのは、アクションだけではなく、彼の表現するもの全てが素晴らしかったという事に他ならない。
ちなみに「ヌンチャク」もアチョーという「怪鳥音」もこの映画が初めてである。
それが同時に登場する道場破りのシーンも素晴らしい。
あの俯瞰ショットも映画史に残る名シーンである。
おっと、ブルース・リーの映画でアクションに触れない訳にはいかないだろう。
この映画で出てくるような「バックブロー」や彼独特のオープン・ブロー気味のフックは今でもK−1の選手等が使っている技術だ。
逆に言えば「技術」としてこの様な技を見たのはこの映画が初めてである。
また後ろ半廻し蹴り(とでも言えばいいのか 笑)や飛び蹴とばし(としか言いようがない 笑)の様に彼は頻繁に使用するが他人では見た事もない様な技もある。
驚くのはそのスピード。特に手技は神がかり的な速さである。
驚くと言えば、彼の映画の格闘シーンでは間合いの取り方がやけにリアルだったりする。
これがこの後の「ドラゴンへの道」以降は、映画の殺陣では考えられない「フェイント」を本格的に入れてくる始末。
ここが単なる「アクション・スター」ではなく「武道家」の彼らしい所だ。
ハイ・キックは見せ技。だけど間合いのリアルさだけは譲れない所なのだろう。
繰り返すが映画の殺陣で「フェイント」を使うっていうのはありえない。
故に素晴らしいまでの、「格闘」に対するこだわりだ。
彼の映画の格闘シーンは全て映画史に残るものである。
と、先ほどから何度も映画史に残る、という言葉を使っているが、それは決して大袈裟とは思わない。
彼ほど後世に影響を与え続けている人物はいないと思う。
彼自身が映画史に残る名優なのだ。