自分が中学生の頃に読み感銘を受けたドラゴンランス戦記と伝説。しかし、大人になってから読んだ夏の炎の竜は全体的に低調な印象を受け、当時ほどの感銘を受けることはなかった。それは自分が大人になり、ファンタジーというものを受け付けなくなってしまった為かと思っていました。そして30近くになって再び手にしたこのドラゴンランス魂の戦争、期待半分、不安半分で読み始めましたが・・・いやあ、面白い!冒頭から圧倒されるスケールでの話がテンポ良く展開し、著者と訳者の魂を感じながら物語にのめりこんでいきました。そして、中学の頃に感じた興奮をリアルタイムで再体験できることに喜びを感じました。
このシリーズには、安っぽいヒロイックファンタジーに登場するような英雄的なキャラクターは登場しないというのが一つの特徴です。英雄と呼ばれている人々も、それぞれ問題をかかえ、悩みながら生きている。重く暗い部分もあるが、そういった部分が壮大な世界感と相まって物語に厚みを与えているのだろうと思います。特にこの魂の戦争は、明らかに夏の炎の竜よりも完成度が高いのでは。戦記と伝説で感じた著者と訳者の素晴らしい筆力が遺憾なく発揮されていると感じました。これは名作です。大人向けのファンタジーです。
ドラゴンランスの物語の根底にある精神は、名誉を重んじる心であり、自己犠牲的な愛です。どちらも、現代人が忘れてしまって久しいもので、一人でも多くの人にこの作品を読んでもらいたいと思います。「魂の戦争」から読み出しても、十分楽しめます。
しかし・・・値段が高いのが少し問題です。。。単行本化して500円くらいで売ったらもっと売れるのではないでしょうか>出版社さん