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全6巻に及ぶ既刊の「ドラゴンランス」に比べれば、上下巻構成であり
しかも、上巻に3編、下巻に2編の物語が収録となれば、長編である
ドラゴンランスのときほど気負わずに読めるのではないかと思いがちですが
そこはこのシリーズを書き続けているワイスとヒックマンのこと、そうは問屋が卸しません。
物語のひとつひとつは短いのですがそれぞれの話にかつての物語との接点と
これからの物語の伏線が巧妙に織り込まれており、設定の奥深さを
楽しむファンには十分に楽しむことができますし、物語の調子も3つとも
色合いが違っているので、1粒で3度美味しいということになります。
また、このセカンドジェネレーション収録の「キティアラの息子」「受け継ぎしもの」は
偉大な親の背を見て育ってきた子供の親離れをファンタジー世界を借りて
表現しているとも言えると思われます。また、そうした成長を支えてくれる
周囲の近親者や友人などの存在などを考え直させてくれる好著です。
短編3つ目の「賭けるか?」は酒好きで、バクチ好きというドワーフに
翻弄され続けるキャラモンの息子たち、3兄弟の性格などが如実に描かれていて
実に愉快な一作です。シリアスで重厚なイメージの強いドラゴンランスシリーズの中において
これだけ前編を通してユーモアたっぷりに書かれた作品も珍しいでしょう。
ただし、登場するものは魔遺牡と呼ぶに相応しい強大な力を秘めた
財宝を巡る探索行ものですので、ゲーム(AD&D)をよくやる方には
馴染みの深いテーマであるかと思います。
下巻にはタキシス騎士団の陣容がゲームのルールに則って紹介される(!)
とのこともあり、下巻の発売が楽しみです。
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