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ドラコニア綺譚集 (河出文庫)
 
 

ドラコニア綺譚集 (河出文庫) [文庫]

渋澤 龍彦
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「ドラコニア」とは龍の王国、すなわち「渋沢龍彦ランド」のことである。この知の領土において、著者は極楽鳥や仮面、童子といった偏愛するテーマをとりあげながら、筆のおもむくまま、自在のスタイルで、興趣つきないエピソードをつむぎ出す。一編ごとにエッセイ風、幻想譚風とおもむきを変え、きらびやかなペダントリーをふりまきながら、軽やかな精神の運動が展開する円熟のエッセイ集。

登録情報

  • 文庫: 273ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (1989/06)
  • ISBN-10: 4309402429
  • ISBN-13: 978-4309402420
  • 発売日: 1989/06
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
「ドラコニア=龍彦の国」(ドラゴン=龍)の由。本作は「ドラコニア」から生れた12の自在なエッセイ・物語を収めたもの。

「極楽鳥」は奇説の発生・伝播のメカニズムを分析した楽しい論考。「鏡と影」は仙人の回想譚。"洞窟の影"を思わせる人間の実体と影の関係、弁証法的多重内包性を扱った秀作。井戸や鏡と言った球形をモチーフにしている所が著者らしい。最後の一行は底知れぬ戦慄。「飛ぶ頭」は中国に伝わる"飛頭蛮(夜だけ頭が遊離)"を江戸時代に翻案した荒木田麗女の歌物語を紹介したものだが、これにエロティックな解釈を与え、更に自身のトボケタ幻想談を加えるサービス振り。「かぼちゃ」は通常の「博物誌」系エッセイで、プリニウスも熊楠も登場する楽しさ。成長方向の"螺旋性"、"匍匐性"と言うイメージが鋭敏。

「文字食う虫」は人語を解する衣魚と著者が会話すると言う愉快な奇談。衣魚の好物の文字が"pesce"とのオチは笑える。出典とも言える「法華験記」等の考察も秀逸。「スペインの絵」は一枚の陰惨な宗教画に纏わる謎を、秋分(均衡、二元論)を中心に考察したもの。「ラテン詩人と蜜蜂」は「5世紀の明月記」を残したと著者が評する虚飾の詩人シドニウスと黄金の蜜蜂の不思議な因縁を描いたもの。「箱の中の虫」は"玉虫の厨子"から箱の中の霊魂・倭姫命へとイメージを膨らませ、後半、ミニチュア作りの名人だった亡き幼馴染との思い出を語ると言う印象的な作品。「桃鳩図」は永遠を画に封じ込めると言う著者好みのモチーフから、絵の作者の徽宗皇帝の道教的神仙譚へと拡がる佳作。「仮面」は愉快な空想体験劇から始まる仮面考。マルコンテンタ荘のトイレの挿話は卓抜。「巨像」では、アペニン山脈の巨像を発端に、マニエスリム的思索が奔流する。

愉快な奇譚から詩情溢れる回想まで、「ドラコニア」発の夢想が楽しめる傑作短編集。
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形式:文庫
こういう本ってなんて言えばいいのかな。
エッセーって言うのかな。「綺譚集」とタイトルにあるから、綺譚集なんだろうけど、内容は古今東西縦横無尽。極楽鳥からバルデス・レアール、そして飛頭蛮から箱の中の玉虫に至るまで、澁澤龍彦の興味の赴くままに書かれている。なかでも私の好きな話は「鏡と影」と題された、南宋中国の仙人である朱橘のお話し。

今の自分は5年前の自分の幼稚さ軽薄さ独りよがりを頭からバカにしている。でも、その5年前の自分だって相当うぬぼれは強かったはずで、自分は隠れたる天才だと思っていた。そして、5年前の自分も10年前の自分を明らかにバカにしていた。そして、はっきりと言えることだが、今から5年後の自分は今の私自身を振り返ったとき、その幼さを恥ずか!しいと思い、バカにすることは目に見えている。この関係はいつまでたっても続いていく。だけど、世間から見れば、バカにしてる自分もバカにされている自分も、ひとつの肉体を持った同一の人格として認識されている。さて、私の本質はどこにあるのだ。それとも、そんなものは存在しないのか。

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