映像、音楽、衣装、キャストなど、そのどれをとってもただただ「素晴らしい」のひと言で、まるで大きな劇場で演じられる壮大な舞台芸術を見ているような気分になる作品です。
この作品の中でとくに目をひくのは、さまざまな「美しさ」でしょう。舞台装置、衣装、音楽はもちろんのこと、メークアップアートに至るまで、あらゆる美術が楽しめます。とくにドラキュラ伯爵の衣装とメークアップは見事というしかありません。
「美しい」といえば、ミナを演じるウィノナ・ライダーの愛らしい美しさが際立っています。衣装の美しさに負けていないところがさすがですね。また、イギリス英語がうまくしゃべれなくて見ていて気の毒になるほどではあったものの、キアヌ・リーヴスの存在はこの作品には欠かせない要素です。なぜなら、ウィノナ・ライダーの美しさと対等に渡り合える美しい男優(?)が、この作品にはどうしても必要だからです。アンソニー・ホプキンス、ゲイリー・オールドマンは確かに名優ですが、この映画の命ともいえる「美しさ」をトータルで考えた場合、いささか役不足でしょう。
この映画を見ていて一番面白いと感じたのは、役者たちの演技と言い回しです。これは監督の指示なのか、全員がわざと芝居じみた(芝居なのですが)演技をしているように思えてなりません。なにか、映画というより舞台演劇を見ているように感じるのはそのせいでしょうか。
しかし、なにより印象的なのは、ゲイリー・オールドマンの演技の凄さです。熱演というより、妖演、怪演と言ったほうがいいでしょう。訛りのある英語
や巧みな発声の使い分けなど、それだけに注目して見ても面白いのではないでしょうか。