近所で行われたビル建築工事の騒音と振動で、野比家の生活の平穏が妨げられたことが話の発端である。東急不動産(販売代理:東急リバブル)から隣地建て替えという不利益事実を説明されずに新築マンションを購入した記者にとって身につまされる話である。
のび太とドラミはパパとママを静かな場所でゆっくりと休ませるために廃村「山おく村」に招待する。大自然の中でくつろぐ野比一家だが、実は遭難していた登山者・金原とニアミスしていた。救助を求める金原と、それに気付かない野比一家の対比が笑わせる。過疎化による廃村という社会問題を背景としながら、野比家の一家団らんに癒され、遭難者の無自覚な救助というドタバタ喜劇で笑える盛りだくさんな内容になっている。
金原はインスタントラーメンを見つけて、麺だけでバリバリと食べてしまう。冷静に考えると、いくら空腹でも麺だけを食べられるものなのか疑問である。特に疲れている遭難者が麺をバリバリ食べることは現実的ではない。
しかし、原作では極限状態ならば十分ありうると思わせるほどの金原に美味しそうに食べていた。この非現実的な内容でも説得力を持たせる表現力は藤子・F・不二雄の画力のなせる技である。